敵だと間違われて誘拐された件について【呪術廻戦】 (ページ2)

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不審者を発見したら１１０ページ2

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『ぴえん』という言葉は今の瞬間のために作られたものなのかもしれない。

私はあの不審者に会った後もしっかり不幸を味わった。

当然高校側も私のような人間のために試験を開いてくれる訳もなく留年。

病室の隣の人はクソぶりっ子で彼氏が来る度に見たくもないイチャイチャを見せつけられる非リアになり。

手違いで薬が入れ替わってクソ苦い薬は飲まなくて良いものだったり。

あの病院大丈夫かな？問題だよねこれは普通に

でもあの男が私の元を訪れる事はなく、そこだけはプランクトンくらいの幸せを感じていた。

それなのに、神様は私を嫌っているのかもしれない。

いや、多分嫌っている。

だってさ、退院許可がやっと出たと思ったらまずなぜ東京にあるのか分からないレベルのクソデカ石に躓いたの。

まぁここまでは許すよ。いつもの事だしね。

そうしたら手を差し伸べてくれた人がいて。

初めて幸運が舞い降りたと思ったら、

「今日こそは嘘抜きで話してもらうからね」

あの変態白髪不審者だったのだ。

私なんかした？別に順風満帆とまではいかないかもだけどかなりいい人として生きてきた自覚はあるよ？

「嘘抜きって……私前回も嘘ついた覚えありませんけど……」

「早く話しちゃえよ、上に言っちゃうぞ～」

「上ってなんですか……話す事ありませんってば」

「意地はるなよ、今なら許してもらえるぜ？」

どうやらこの人は私が嘘をついていると信じてやまないらしい。

意地はってるのはそっちじゃないか。
もう少し蒟蒻くらいには行かずとも柔らかくなってもいいと思うけど。

でも不幸中の幸いか、今は腕を掴まれていないので逃げることは可能。

私は足が速いほうであると自負しているのでめちゃめちゃに頑張れば逃げ切れる自信がある。

退院したばっかで人生ハードモードすぎるとは思うけど。

今までの体験した人生ベリーベリーハードくらいに比べればかわいいものだ。
かわいすぎるくらいに。

私の足、頑張ってね