11話 ページ12
シウside
近隣の避難と、とりあえず簡易の結界をそれとなく張っておく
結界と言っても、無意識のうちに結界の外に出ようとしなくなる程度のものだけど
どうしようか
となっても結局、エマなんだろうなぁ
この子はカギだ
物語を開き、進め、閉じる、カギ
それだけで、底抜けにお人よしなこの子がどうなるかなんて＿＿＿＿考えただけで、気分が悪い
ランヌ「しかし、応援を待つ暇はなさそうです。ここは私が＿＿あなたたちは逃げなさい！」
＿＿＿＿”逃げなさい”…か…
そんな言葉をかけられるのがあまりにも久々すぎて、思わず呆けてしまいそうになるのをこらえる
既に前と違うのは分かっていても…私は、その言葉をかけられる側なのだと
仮初でも、気休めでも、思えるのが場違いながら幸せだ
ああ、だから。私は、そうでない役を演じよう
エマ「待ってください、ランヌさ＿＿＿！」
駆け出したランヌさんを追おうとしたエマ
けれど、声が耳に届いた
夢の大きさに、その果てしなさに、絶望を煽られる、一人の声が
レノ「うぅっ…無理だ。妥協で選ばれた僕なんかには。像を掘る才能なんて、資格なんてない…！
＿＿＿＿ダカラ
モウゼンブ、コワシテシマイタイ！！」
それは、決して他人事にはできない叫びだった
……ああそうだよ。なんで、ってなるんだよ
なんで、私が残ったんだ
Aチームや、魔術師は他にもいた中で、なんで補欠の私だったんだ
主人公でも、脇役でも、そもそも登場すらしない一人だった私が、なんで
優秀な人はいくらでもいた
ああ、でも、それでも
＿＿＿＿残っちゃったんだから、やらないといけないんだ
唯一残った、人類最後のマスターだから
呪いみたいに吐いて、自分の中にため込んで
壊れそうで、いっそ壊れてしまいたかった。全部なくなってしまえば＿＿＿＿
なんて。うたかたの夢さ
壊れることなんて、許してくれなかった
壊れきれないままに、生かされ続けて。ああ、望めやしない
そんなこと、言いもしなければ、思いもしなかったさ
本当だよ。君は良く知ってるだろう、オベロン
ランヌ「……！いけない、シウ、エマ！」
エマ「＿＿っ！？」
だから。やっぱり私は、演じ続けるんだ
私のまま、役を羽織って
嘘なんてありはしないように、事実そうとして、クソみたいな舞台に立つ
『＿＿＿＿オシリスの塵』
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ルウ(プロフ) - 新作おめでとうございます！「魔界の異邦人」や「前世は柱、今世はヒーロー？」も応援しています！体調に気を付けながら更新頑張って頂けたら嬉しいです。 なんといっても、零月 さんの作品は神作だらけですからね！私の生き甲斐です！ (9月21日 22時) (
レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
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