TH ページ7
『私、昔はすごい太ってて』
JM「そうなの？そんなふうに見えない」
『子供のときだけどね、』
JM「僕も太ってたよ、昔。メガネかけてたし」
『ほんとに？笑
写真ある？見せてよ』
JM「Aちゃんも写真ある？
Aちゃんが見せてくれんならいいよ、笑」
って隣のテーブルで楽しげに話す
2人の声が聞こえる。
俺と付き合ってたころだって、
あんなに楽しそうに話してくんなかったじゃん、
は？
俺はイライラした。もうそれは、ほんとうに。
「テヒョンくん、私の話聞いてる？」
って上目遣いするこの子は
常連で。
は？話とか聞いてないけど、なに？
って答えそうになった
自分を落ち着かせる。
TH「君があんまり可愛いからさー、
話の内容なんて入ってこないよ」
って言ったらわかりやすく彼女は
顔を赤らめる。
あー簡単だなぁって思う。
あいつは、
.
.
.
…………Aは、こんなに簡単に
俺に落ちてくれなかった。
付き合ってからも、
好きの一言も、
なんの愛情表現もしてくれなくて、
なんでこの子俺と付き合ってんだろって
馬鹿馬鹿しくなって、
気付いたら俺ばっかりが頑張ってて。
よくわかんないまま、
Aは、俺の前から勝手に消えた。
俺の唯一の恋愛の嫌な過去。
女ってわかんない、って、
思ったのは、Aだけだった。
女の子って単純な生き物じゃないの？
だってさ
.
.
.
「テヒョンくん、アフターもお願いしていい？」
ってすり寄ってくるこの客は、
やっぱり香水がきつい。
TH「いいよ、もちろん」
って頭を撫でたら、
恍惚とした表情をするから。
やっぱり女の子って単純だ。
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年2月11日 15時
