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K side
「わたー！いっしょにかえろー」
楽屋に入ると聞こえてくる声。
「今日泊まってっていい？明日休みだし、渉も休みでしょ？」
聞き流せ。関係ない。俺にはおおくらがいる。そう言い聞かせて急いで着替えを始めた。
「あー！そういう渉も愛してますわ！」
ぐしゃ、となにかが潰れた音がした。
「ミツ…、」
玉の声が聞こえたけど、なんだかわからない。
『ひろみつ、』
おおくらの声が聞こえた。ねぇ、ただくん、助けて。
手早く準備を整えて、おつかれ、と小さく呟いて楽屋を出た。タクシーに飛び乗って、なるべく急ぎでとお願いをしておおくらの家へ向かう。
鍵を明け、寝室に飛び込んだら寝ているおおくらに後ろから抱き付いた。
「んぁ？ひろみつ？どないした？」
寝ぼけながらも怒ることなく腕を撫でてくれるこいつに、甘えてしまう。
「ただ、くん、」
「ん？どないしたん？」
腕を少し緩めれば、こちらを向いて抱き締めてくれる。
「おれ、ただくんといっしょ、いたい。」
「…え？」
「おれを、ただくんのにして。」
「ひろ、みつ？なにがあった？」
「お願い。今すぐただくんでいっぱいになりたい。」
「…後悔せぇへんか、」
ただくんはこんなときでも優しい。自分がどれだけ狡いことを言っているのかは分かっている。それでも、ただくんで一杯にしてほしかった。アイツのことを忘れて、ただくんと生きてく。本気でそう思わせて。
「しない。狡いこと言って、ただくんを傷つけてるのはわかってる。だけどほんとに、これからはただくんといっしょのところで生きたいって、思いた…」
言いきる前にただくんのキスが落ちてくる。口を開いて、舌でただくんの唇を舐めると深くなっていくキスがきもちいい。もっと、ほしい。首に腕を回してもっと、とねだった。
「もう止められへんで。」
欲に濡れた瞳が、俺を見下ろす。
「ぜんぶ、ちょうだい、ただくん、うばってよ、」
そう言って、俺からキスをした。
もう二度と戻らない。
これからは、ただくんだけを、見つめてく。
そんな覚悟で。
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imtr(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！同じように思ってらっしゃる方がおられてなんだか安心しました。少しでもこのお話が気晴らしになっていれば嬉しいです！ (2021年2月22日 23時) (
レス) id: 768e339076 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 私もその発言にもやもやしていました…この話を読んで少し心が軽くなった気がします！素敵なお話をありがとうございました！ (2021年2月20日 15時) (レス) id: 81c528a286 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：imtr
| 作成日時：2021年2月18日 20時
