D.gray-manー2人で歩く道② (ページ8)

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任務先での彼女ページ8

男性「本当に、感謝してもし切れないです！！A様、貴女がいなかったら…俺は今生きていません。」

とある任務先で、アクマの退治をし終えた所だった。
街の若い男性がアクマに攫われ、危うく殺されそうになっていた所を、Aが救ったのだった。

街を去ろうとした際、大勢の人々が感謝を伝えに来た。中でも彼女に救われた男性は、とても感情を込めて挨拶をしてきた。

ラ「…は～～～ありゃあ惚れてるやつじゃねぇか？顔が真っ赤さね…」

感謝の印にこれを！と真っ赤な薔薇の花束を差し出されているAを、同行していたラビがやや遠くから呆れたように眺めている。

花束を受け取り嬉しそうに顔を綻ばせ、「出来れば握手も…」という頼みにも頷く彼女は、きっと男性の想いには気付いていないのだろう。

ラ(もう沢山Aちゃんと任務一緒になってるけど、こういった場面は何度目にもなってるさ…)

ーー彼女に直接命を救われて、
彼女の笑顔や言葉に励まされて、
出会った瞬間から彼女のルックスに惹かれて…

ブックマンであるラビには、任務先で出会った男達がどのタイミングで彼女に心奪われたのかが大凡察することが出来ていた。

ラ「…こりゃあアレンも、ちょっとは気にするんだろうなぁ」

～～

ア「わあぁ…！そんなに大きな花束、一体どうしたんですか？」

方舟で教団に戻り、報告に向かっている途中で、ちょうどアレンに会った。
やはり、彼も彼女が抱えている花束に目が行っていた。

『任務先の方からいただいたんだ。こんなに綺麗な薔薇の花、初めて見たから嬉しかったなぁ！』

ア「確かに綺麗ですね。いい香りですし…Aもお疲れ様でした！」

『ふふ、ありがとう！…あっ、報告行く前に部屋に飾って来ようかな。早めに済ましておいた方がいいだろうし…』

ラ「それなら、俺が先にコムイの所向かってるさ。いってら！」
　

ありがとう！と慌ただしく花束を運んで行った彼女を見送ると、アレンの笑顔に黒いオーラが浮かんでいた。

ラ「あ、アレン？」

ア「…ラビ。あの花、男性から貰ってました？」

ラ「あ？ああ…同い年くらいだったさ」

そう伝えると、アレンはやっぱり…と呟き、大きく溜息を吐いた。

ア「…相変わらず、任務先でも沢山求愛されてるんですね、A」