D.gray-manー2人で歩く道② (ページ7)

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癒しを＊おまけページ7

『…ん……』

すっかり深い眠りについていたAが目を覚ました時には、日が昇り、部屋も明るくなっていた。

(あたたかい…)

夜と同じ体勢で、アレンの腕の中にすっぽりと収まっていた。目の前にはまだ寝息を立てている彼の顔がある。

(ふふ、やっぱり寝顔は可愛いんだなぁ。弟みたい)

なんて言ったら軽く怒られるだろうな、と思いながら、彼の前髪をすくい、額に口付けた。

Aはそろそろ次の任務の準備をしなければいけない。彼はもう少し後だったはずなので、このまま寝させておいてあげたいのだ。

起こさないようにそっと彼の腕の中から離れ、ベッドからも抜ける。

『…またね、アレンくん。しっかり休んで』

髪を結び直しながら、寝顔に向かって小声で囁いた。

そのまま、部屋の扉の前まで歩いていく。
ドアノブに手をかけた時に、ぎしり、と後ろから音がした。

えっ、と振り返ると、目の前にはアレンの姿が。

『あ。…起こしちゃった？まだ寝てて良かったのに…』

そう言い終わる前に、彼にぎゅうと抱き締められた。
耳元では「んん…」と彼の低い声が聞こえる。まだ寝ぼけているのだろうか。

ア「…A…まだ行かないで…」

いつもなら聞けない甘えたような声色に、心臓がきゅうっと掴まれた気がした。
肩口にすりすりと頭を擦り付けてくる彼は子犬のようで、とにかく可愛い。

『私もまだ行きたくないけど…任務の準備しなきゃだから。…ほら、アレンくん』

彼の両頬に両手をあて、目を合わせる。
アレンは眉を下げていかにも寂しそうにしている。
頬をすりすりと撫でて、そっと唇を重ねた。

ア「…えっ」

『…これで許してね。ふふ、行ってきます』

彼は目を見開いたまま、固まってしまったようだ。
Aは悪戯っ子のように微笑みながら、彼の髪を撫でると、扉を開けて去って行った。

～～

(…ちょっと大胆すぎちゃったかな…)

ーー廊下を歩く彼女が顔を赤くさせていたことに、部屋に残されたアレンは気付いていないだろう。

もう少しだけ彼を寝させてあげようとしたつもりが、むしろ眠気を飛ばしてしまうことになってしまったのだった。