D.gray-manー2人で歩く道② (ページ11)

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輝く耳元ページ11

彼女からの言葉と笑顔によって、アレンの心はすっかり満たされてしまっていた。

アレンはAの肩に顔を埋め、ゆっくり抱き寄せる。
普段ならちゃんと目を見て礼を伝える所なのだが、今は自分の顔を見せられそうに無いようで。

ア「…ありがとう、A。やっぱり、君には叶いませんね」

『…えっどういう意味？でも喜んでくれたなら良かった！』

実はね、と続ける彼女の話を抱き締めた状態のまま聞く。

『お互い任務でゆっくり話せなかったりするでしょ？それでも、アレンくんはいつも私にお土産話を沢山持って来てくれるのが…嬉しくて』

そう、これは2人が恋人同士になってからだが、アレンはAに任務先での話をすることが多かった。

訪れた場所の景色が綺麗だったから一緒に見てみたかっただとか、移動前に寄った店の辛い料理がAが好きそうだったとか、そんな話をしてくれていた。

『…そうやって、任務先でも、離れていても…私のことを少しでも考えてくれてるのが本当に嬉しくて。
だから、私も何かアレンくんにお土産のような物、渡したいなって、前々から思ってたんだ』

そう話すAは、もう1つ、アレンがつけているものとは色違いのイヤーカフを手にしていた。

ア「えっ！」

『…アレンくんにあげる物だから、じっくり考えて選ぼうと思ってたんだけど…やっぱり中々時間が足りなかったりして、ずっと買えなかったんだ。
でも、このイヤーカフだけは、見て初めて"これだ！"って思って買えたの！…私と、お揃いで…』

もう、目の前の彼女は何て罪深いんだろう。
そんなに顔を赤くして、照れ臭そうにして、嬉しい言葉をつらつらと続けて…
"自分を特別に思って欲しい"という彼の願いは、とっくに叶っていたようだ。

ア「お揃いで買って来てたんですか…！ふふ、Aらしいですね。
このイヤーカフも、きっとAに似合いますよ」

彼女の手からやんわりとイヤーカフを奪い、今度はアレンがAの耳に付けてあげる。

『ふふっお揃い！これなら、離れている時でもアレンくんが側にいてくれてるみたいだね』

ア「…うん！どんな時でも、ずっとAを想ってます。このイヤーカフが、さらに僕達を繋げてくれますね」

するりと彼女の髪を耳にかけてやり、イヤーカフが輝く耳元にそっと口付けた。

お揃いの耳飾り無しでも、2人の想いはとっくに繋がっているようだったけれど。
その耳元の輝きを見れば、彼はすっかり幸せで満たされるのだ。