ジェリーのパワー ページ28
ーー食堂にて。
『う〜ん…』
自室で休んでから、少しお腹が空いたので食堂へと向かう。
ジェリーが団員達の注文を順番に聞き、料理を渡しているのを遠目に見ながら、Aは少し難しい表情で列に並んで待っていた。
〜〜
ジェ「ーーあら、Aちゃんたらどうしちゃったのよ、その顔!!」
『えっ!?』
眉間に皺を寄せながら待っていた彼女を目の前にして、ジェリーがそんな声をあげた。
自分の番が来たのにも気づいていなかった彼女もまた、ジェリーの声に驚いたようである。
ジェ「…何か考え事でもしてたの??そんな顔でぼーっとしちゃって!いつものアナタらしくないわよ!」
『あれ、顔に出ちゃってた?…ちょっとね、色々と考え込んじゃってて…』
そう言うと、ジェリーは身を乗り出す。
ジェ「あら!!悩み事かしら!!アタシでよければ聞くけど?!」
『ふふっ、ありがとうジェリーちゃん。でも忙しいでしょ?まだ料理待ってる団員沢山いるし…』
ジェ「何よ、今はそこそこ空いてる方だから問題ないわ!他の料理人に一瞬任せるから、こっちにいらっしゃいよ!」
『だめだめ、ジェリーちゃんいなくなっちゃ!もう少し自分で考えようと思ってるから、とりあえず大丈夫だよ。…それに、ジェリーちゃんとお話しただけで元気もらえちゃったし!』
ジェ「Aちゃん………そう。パンクしそうになったら、必ずアタシに相談するのよ!!とりあえず今は、アタシの料理食べてしっかり休んでね!!」
元気よくそう言うジェリーの明るい雰囲気に、笑顔になりながら料理を受け取る。
『うん!ありがとうね、ジェリーちゃん!』
〜〜
(ジェリーちゃんと話したら、だいぶ気持ちが軽くなったなあ〜。…うん、とりあえず大丈夫だ。)
料理を運びながら空いている席を探していると、ふと、白髪が目に止まった。
(あっ!アレンくんだ!
………と、その向かいには…リナリーちゃん…?)
彼を見つけて駆けつけようと思ったが、リナリーがいると気づいた途端、足が止まった。
遠くにいるため、あちらはAに気づいていない。
(ーー2人とも楽しそうに、話してるなあ…)
(確かに、お似合いだなあ…)
今までだったらこんなことなど全く気にせず、遠慮なく駆け寄っていたのだろうが、ペック班長の言葉のせいで今は見方が変わってしまう。
(ーーいいや、1人で食べようっと。)
ーー今は、あの2人とは話したくない。
そんな気分だった。
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みれい(プロフ) - すごく面白いです!アレン推しなので、アレン落ちの小説が少ないのですが、その中でもめちゃくちゃ好きです!更新楽しみにしてます! (2020年2月22日 16時) (レス) id: b87f86880a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナジカ | 作成日時:2018年1月31日 22時