2人でなら ページ13
ーーアレンside
ア(そうか…だからA、ルベリエ長官と話した時、あんな表情を…)
あの時の彼女の辛そうな表情は、今でもよく覚えている。
当時は、辛そうにしている彼女の力にもなれない、無力な自分に嫌気がさしていた。
ーーけれど、今は違うんだ。
ア「…今は…中央庁とは…ルベリエ長官とはどうなっているんですか?」
『今は…極力関わらないようにしてるよ。
長期任務から帰ってきてすぐに、バク兄やコムイさんがあまり関わらないようにして欲しい、って伝えてくれたみたいで。それなりに色々理由もつけて。そのお陰で今はあまり関わりはないよ。
昔は従ってはいたけど、長期任務に出る少し前くらいに、考え方が変わるきっかけがあって。…だからこそ、今の私がいるんだ。』
ア「ええ、バクさんとコムイさん…凄いですね。変わるきっかけ…ですか」
『うん。それもバク兄のお陰なんだけどね。…ほら、今と同じで私とバク兄は普段離れてたから。久々に会った時に、バク兄が喝を入れてくれたんだ〜』
ア「そうだったんですか。…心強いお兄さんを持ったんですね、A」
『うん!…今は、心強い彼もいるもんね!』
心強い彼、だなんて嬉しそうに話すものだから、こちらも照れくさくて…だけど嬉しくて、思わず笑みがこぼれた。
ア「A…。…もし何かあったら、何でも相談して下さいね。僕もAの為に力は尽くしますから!」
『うん、ありがとう!…アレンくん、好きだよ』
ア「!?」
突然の彼女の愛情表現に、再び顔が熱くなる。
僕の向かい側で、Aは相変わらずニコニコしている。
『言いたくなったから言っちゃった。こんな所で言うのも何だけどねぇ』
…彼女は純粋だから、何食わぬ顔で大胆なことを言ってのけてしまう。正直心臓に悪い。
ーーけれど…
ア「…Aのそういう所、僕も好きですよ」
だからこそ、彼女の気持ちには同じように…いや、何倍にも返したくなる。
僕の言葉に少し目を見開いたけど、すぐに笑顔に戻って嬉しそうにする。
そうして、また僕の左手にそっと自分の手を重ねた。
『…私、アレンくんとなら何でも出来る気がするんだ。何にも…怖くないって思える。こんなに素敵な人が傍にいてくれて…私は幸せだなあ。』
ア「僕だって、同じですよ。…これからも、一緒に進んで行きましょう」
『うん。』
お互いに、手を握る力を強くする。
2人でなら、どんな険しい道でも歩いていけると信じて。
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みれい(プロフ) - すごく面白いです!アレン推しなので、アレン落ちの小説が少ないのですが、その中でもめちゃくちゃ好きです!更新楽しみにしてます! (2020年2月22日 16時) (レス) id: b87f86880a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナジカ | 作成日時:2018年1月31日 22時