傷つけること ページ12
『…ちょっとね、色々あってある子に辛い思いをさせちゃって…私のせいで。』
ア「辛い思い…?」
『うん。…でもそれは避けられないことだったから、覚悟はしてたの。…その子の為に、私は前に進まなきゃいけないから、頑張らなきゃなあ〜って、考えてたんだ。』
ア「そうなんですか…話してくれてありがとう、A」
『ううん、私も聞いてもらえて良かった!』
ア「…なんだかAって、誰かを傷つけたり、悲しい思いをさせたりすることに人一倍恐れを抱いているっていうか。そんな感じがするなあって、前々から思ってました。」
『…!!…傍から見ると結構そう思う?』
ア「はい、Aが悩んでいる時って、大抵誰かが傷つくのを心配して…だったりしてましたから。
ーー僕が告白した時だって、僕の心配をして、返事に時間をかけてくれていたでしょう?」
『!…なるほどね…』
ーーやっぱり彼はよく見ているなあ、と何度目にもなる関心を心の中でした。
微笑みながら、Aは口を開いた。
『…アレンくんの言ってること、まさに当たりだよ。ふふっ、流石だねぇ。』
ア「いやいや、笑いごとじゃありませんから。」
『ごめんごめん。誰かがここまで気づいてくれたこと、今までなかったからなんだか嬉しくって。
…アレンくんになら、話しても大丈夫だなって、今確信出来たよ』
ア「!」
『……私ね、昔…エクソシストになって間もない頃、誰かを守るだなんて考えが一切なかったの。
ーー任務が遂行出来れば、それでいい。
その為なら、どんな犠牲があったって構わないって思ってたんだ。』
ア「えっ、A…が…!?」
『今となると驚くよねぇ。…私、本当に冷たい奴だったから…
今まで、任務の中で数え切れないくらいの人達を見殺しにしてきた。…今でも後悔は限りなくしてる』
ア「…どうして、そんなことを…」
『…私、中央庁の人達に気に入られていたみたいで。昔、エクソシストの中で私だけは、ホームに直接帰ることはあんまりしないで、中央庁の指示に従ってばっかりだったんだ。』
ア「そうだったんですか…一体どうして…」
『ルベリエ長官。…あの人に、凄く期待されて…信頼されて…あの人から、エクソシストとしての生き方を教わったって言っても過言じゃなかった』
ーーそう話す彼女は、昔の自分に対して辛い思いを抱いているように、彼からは見えた。
112人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みれい(プロフ) - すごく面白いです!アレン推しなので、アレン落ちの小説が少ないのですが、その中でもめちゃくちゃ好きです!更新楽しみにしてます! (2020年2月22日 16時) (レス) id: b87f86880a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナジカ | 作成日時:2018年1月31日 22時