あの日から、2人は ページ2
ーーあれから、数日。
ア「ん…」
目を覚ませば、視界には見慣れてしまった医療室の天井。
数日のうちに任務の怪我も大分回復し、自由に動けるようになった。恐らく近いうちに任務にも行けるだろう。
起き上がってベッドに目を向けると、長い金髪が見えた。
ア「…A…」
こんなことはいつの日かアジア支部でもあったような…と思い出しながら、ベッドの上に組んだ腕をのせて眠っている彼女の寝顔を見つめる。
ア(…もしかして、付きっきりで見ててくれたのかな)
寝てしまうまで無理しなくていいのに、と呟きながら頭をそっと撫でると、すぐに反応があった。
『……ん…あれ、アレンくん…』
ア「おはよう、A。朝ですよ」
笑顔でそう言うと、少し固まってからすぐに はっと息を飲んだ。
『あっ、私ったら…知らない間に寝ちゃって…!』
ア「ふふ、そうみたいですね」
『わぁ〜…任務帰りに様子見に行こうとしたらこんなことに…ごめんねお邪魔しちゃって!』
ア「いえ、むしろ嬉しいので大丈夫ですよ」
『うう…。それで、怪我の方はもう大丈夫そう?』
ア「はい、お陰様で。近いうちに復帰出来そうです!」
『そっか、良かったぁ!…わっ』
ーーあの日から数日間、Aは任務続きだった。
医療室で休むアレンの様子を見たかったし、話もゆっくりしたかったのだが、ほんの僅かしか出来ていなかった。
それはアレンも同じで。
ア「…しばらく、こうしていてもいいですか?」
『うん。…アレンくん、あったかいね。』
ア「あははっ」
『ちょっと…寂しかったよ。任務があるのはまあ、仕方ないんだけどね…』
ア「…そうなんですか。僕はかな〜〜り寂しかったです。」
『あはははっ。…私もやっぱり、ちょっとじゃない、かな』
ア「…そっか。…でも…僕は」
治療がされて絆創膏が貼られているAの頬に触れながら、アレンは微笑んだ。
ア「それよりも、Aが任務から無事に帰ってきたことに安心しました。」
『アレンくん……ふふっ、ただいま!』
ア「うん、おかえりなさい!」
2人は笑顔で顔を見合わせた。
2人の想いが結ばれたあの日から、数日。
Aもアレンも、今まで以上にお互いを想うようになったようで。
特にAは、初めて抱く自分の感情に時折戸惑いながらも、少しずつアレンへの想いを明かすようになった。
ーー2人で歩く道は、まだ始まったばかり。
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みれい(プロフ) - すごく面白いです!アレン推しなので、アレン落ちの小説が少ないのですが、その中でもめちゃくちゃ好きです!更新楽しみにしてます! (2020年2月22日 16時) (レス) id: b87f86880a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナジカ | 作成日時:2018年1月31日 22時