D.gray-manー2人で歩く道 (ページ46)

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バレンタインデー⑥ ページ46

(ドンドンッッ)

背中で抑えているドアが勢いよく叩かれている。

(…えぇ～～～～！どうしよう…！！)

ーーおよそ1時間程前。

神田にアレンの相手を任せたお陰で、Aは無事に自室に入ることが出来た。

あの神田なら、酔っ払ったアレンであっても食い止められるだろうと安心し、暫く部屋に篭っていた。

ーーのだが、部屋に入ってからだいぶ経った頃、突然ドアがノックされたのだ。

『…！はい！』

もしかして神田か…？アレンをなんとか落ち着かせられたのかと油断しきった状態で、部屋の中から元気よく声を出す。

？「うふふっ…そこにいるんですね？A～～」

『！？…あ、アレン…くん…？』
(ええっどうして…！？神田くんは？…他の皆は…？)

声の主に動揺していると、またもや扉を叩かれた。
鍵はかけているが、思わず背中で抑えてしまう。

ア「どうして逃げるんです～？何もしないので開けてくださいよ～」

『…えっと…アレンくん、まだ酔ってるよね…？』

ア「酔ってないです～」

(いやいや…)

ーーという流れで、とうとう部屋まで追い詰められてしまったというわけである。
未だに扉を叩く音、力の抜けたアレンの声はやまない。

(どうしよう…このまま部屋に入れたらやっぱり危険…なんだろうな…

でも…このままだと拉致が開かないし…最悪イノセンスを使えば…

……よしっ！)

『…アレンくん！』
(ガチャッ)

勢いよく扉を開けると、そこには顔を真っ赤にしたアレンが立っていた。
…彼の周りには、部屋に向かうのを止めていたのであろう、ジョニーを含む科学班数名と神田が倒れていた。

(酔ったアレンくん…恐るべし…)

ア「A～～！！いつまで経っても開けてくれないからぁ…嫌われたのかと思いました～」

『ごっごめんね！とりあえず落ち着くために部屋に…わっ！？』

そう話している途中だった。
突然彼が上からかぶさって来たのだ。

『アレンくん…！？わわわっ』

彼を辛うじて支えながら、部屋のベッドの上に運ぼうと後ろ向きに歩く。

ア「A～……」

ベッドの側まで辿り着くと、彼はさらに体重をかけて来た。

『きゃっ！』
(ドサッ)

支えきれず後ろに倒れ込み、ベッドの上で彼に押し倒されている体制になってしまう。

『あ…アレン…くん…』

ア「うふふ…可愛いです、A…」

こちらを見下ろす赤い顔をした彼の欲深い視線に、思わず息を呑んでしまった。