D.gray-manー2人で歩く道 (ページ44)

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バレンタインデー④ ページ44

ラ・ジ「………」

アレンの顔を見て、2人は思わず固まってしまった。
彼が明らかに正常ではないことはすぐにわかった。

顔をすっかり赤くして、瞳は見るからに焦点が定まっていない。時折ひっく、としゃっくりをしている。

ラ「いや、これは…明らかに酔ってるやつさ…」

ジ「えっなんで！？アレン酒は飲んでな…」

ア「…らっラビぃ…その…チョコ…」

ラ「あ？ミランダからもらったチョコか？」

ア「それ…おさけ…入ってませ…んか…」

ジ「…あっ！！もしかして…ラビがティモシーにぶつかった反動で、チョコがアレンの口の中に…？」

ラ「確かにそれかもな…このチョコ、結構強めの酒入ってるさ。」

ア「…飲み込んでしまって…気付かなかった…です…っく…まずい…」

ラビは酔っている彼を見つめながら、いつしかアレンと話していた時のことを思い出していた。

ラ(そういえば、アレンってちょっとでもアルコール入るのは無理って言ってたよな…元帥にも止められてるって言うけど、酒癖悪いんか…？)

ラ「…とりあえず、部屋に戻って寝ておくさ！俺らが運ぶか…らっ！？」

突然、アレンがラビの胸ぐらを掴んだ。

ア「…ひっく…もっとチョコを…よこしてください…」

ラ「ち、ちょっとちょっとアレンさん！？」

ジ「アレン！！一旦落ち着けって！今水持って来るからな！」

ラ「あっジョニー！！…こりゃまずいさ…」

ア「なんですかラビ…自分だけもらっておいて、僕にはないって言うんですか…？」

ラ「何言ってるんさ！！てかイノセンスだけはマジでやめろよ！？…それに…お前にとっちゃ、Aちゃんからのチョコが1番大事だろ？！」

ア「…A…そうだ、Aは…」

ラ(よし…今はAちゃんもいないわけだし、この間にアレンを落ち着かせられれば…)

アレンがぼーっとしている間に、すぐに部屋に連れて行こうと考えたラビであったが、食堂の出入り口の扉を見て絶句した。

『あっ！見つけた！アレンく～ん！ラビくんも～！』

まだ戻って来ていないだろうと考えていたAが、ちょうど食堂の中に入ろうとしているではないか。

ラビ達の姿を見つけた彼女は、何も知らぬ顔でこちらに手を振り近づこうとしている。

ラ「えっ、Aちゃん！？！？こっ、ここにいちゃダメさ！！今すぐアレンから逃げろ！！」

『えっ！？！？』

ーーこういった流れで、序章の場面に至るわけである。