D.gray-manー2人で歩く道 (ページ35)

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番外編＊手料理③ ページ35

(…ちょっとは進展、したのかなあ…)

あれから色々と苦戦しつつもジェリーと特訓をし、ひとまず今日の練習はここまでとなり、いくつか作った料理をずらりと食堂のテーブルに並べ、睨めっこをしていた。

ジェリー曰く、"少しだけど良くなってきたわね"とのこと。

(味に関しては、私一人じゃあんまりわからないからなあ～…)

ひとまずこれは残さず食べてしまおう、と手を合わせて料理に手をつけ始めると、テーブルの横を背の高い少年が通り過ぎた。

？｢…って、あれっ。Aちゃんさ？｣

『ラビくん！』

彼女の前にずらりと並べられた料理を見つめながら、ラビは不思議そうな顔をした。

ラ｢…今日は随分と食欲旺盛なんさね。胃袋まで彼氏に似てきちゃったんさぁ？｣

『そっそういう訳じゃないよ～！』

ラ｢ふ～ん？それにしても結構な量じゃね？どうかしたんさ？｣

『え？…えっと…』

さり気なく彼女の向かいに座り、じいっと見つめてくるラビに対して、正直に話そうか否か悩んでいると、知らぬ間に彼は前の料理を一口口にしていた。

ラ｢…！？結構かれぇな！？ゲホッゴホッ！｣

『えっほんと！？お水飲んで！』

～～

結局、Aが今アレンの為に料理を練習している、ということをラビに説明した。

『ーーそれでね、私自身手先が不器用なのも問題的だし、味覚も頼りにならなくて困ってて…』

ラ｢…なるほどな。確かにAちゃんの味覚だとちょっと危険かもな…

…でも、アレンの為に料理を振る舞うってのは、あいつにとってこの上ない幸せだと思うさ～｣

『本当！？』

ラ｢ああ。…まあ色々困ってるならさ、俺が味見係になってもいいさよ？｣

『えっ、いいの？』

ラ｢勿論。味覚に関しては頼りになると思うからさ～！｣

彼のそんな言葉に、彼女は思わず目を輝かせて手を取った。

『ありがとう！！そしたら何回か味見してもらうようにするね！流石ラビくん！』

ラ｢大げささ～！…だから早速、その料理も一緒に食べるさよ。｣

『結構な量だから困ってたの～。お願いします！』

そうして、2人はテーブルに並べられた料理を一緒に食べ始めた。

ラ(味見係するって軽々しく言っちまったけど…)

『…！？ラ、ラビくん！？おっ、お水お水…！』

暫くするとラビは、辛さのあまりか、口から炎を吹いた。

ラ(…こりゃあ、俺の舌が持つか心配さぁ………)

涙目になりながら、彼はテーブルに力なく倒れ込んだ。