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『…えーっと……アレンくん…?』


ア「……」



少し戸惑った表情をして聞くものの、全く返事が帰ってくる気配がない。



ーー今、Aは自室で机に向かって座っているのだが、背後からアレンが首に腕をまわしてきて、抱きつかれている状態である。



こんな状態になり、気づけばかれこれ数分は経ったのではないだろうか。



(…こ、困ったなぁ…これじゃあ進められないよ〜)



彼女はここ最近ずっと自室にこもりっぱなしであった。アジア支部の手伝いを多く引き受けてしまったあまり、任務まで控えて取り掛かっていたのだ。



『…お〜い、アレンくん?』



一方で、ずっと抱きついている彼は肩に顔を埋めているので表情も全く見えず、じっと動かない。



このままじゃまずいと思い、う〜ん…と少し考えると、突然あっ!と声を出した。



(もしかして…)



彼女は何か思い当たったようで、笑顔になりながら彼の頭を優しく撫でた。



『…アレンくん、もしかして寂しかったの?』


ア「………はい。」



やっと彼から返事が返ってきた。彼女の予想は当たっていたようだ。



ふふっ、と笑いを漏らすと、Aは椅子をくるりとまわして後ろを向いて、無理やり彼と向き合う体制にした。



目の前には、少し驚いた表情をしたアレンがいる。
椅子に座ったまま、そんな彼に抱き着く。



『私は部屋にこもりっきりで、アレンくんは任務続きで全く会えてなかったもんね。遠慮しないで言ってくれてよかったのに〜』


ア「…」



またもや黙ってしまった彼の表情を見ようと顔を上げると、そこにはじっと真剣な眼差しでこちらを見つめる彼の顔。



ずっとへらりとしていた彼女も、思わずそれに見とれて動きが止まってしまう。



ア「…寂しい だなんて言ったらかっこ悪いみたいで…言えなかったんですよ」



優美に微笑み、彼女を見下ろしながら、顔の輪郭を優しく指でなぞり、頬に手を添える。



ア「…でも、察してくれて嬉しかった。



ーー寂しかった分、今埋めてもいいですか?A」



彼の笑顔に応じるように、彼女はニコリと笑い、ゆっくり頷いた。






ーー2人の顔の距離が段々と近づいていき、






ーーお互い瞳を閉じて、ゆっくり、






ーー唇を重ねた。









…2人のキスは、これが最初。

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作品ジャンル:アニメ
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みれい(プロフ) - すごく面白いです!アレン推しなので、アレン落ちの小説が少ないのですが、その中でもめちゃくちゃ好きです!更新楽しみにしてます! (2020年2月22日 16時) (レス) id: b87f86880a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナジカ | 作成日時:2018年1月31日 22時

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