心のもや ページ11
フォ「…くそっ」
A『はい1本とったー！…強くなってるねえ、フォーちゃん。』
Aに首を捕まれ床に倒されてしまい、悔しそうに舌打ちするフォー。
フォ「勝った奴にんなこと言われても嘘臭いっつの。…相変わらずバケモンだなあ…ウォーカーと大違いだぜ。」
A『バケモンとは失礼な〜。今のアレンくんなら、フォーちゃんと戦ってた時よりも全然強いと思うけどな。』
フォ「体格はよくなってもあいつの中身はヘナチョコだよ。」
A『あははっ。…ねえフォーちゃん、聞きたいことがあってね。』
フォ「ん？なんだよ」
A『……恋って、なんなのかな…』
フォ「…はぁ…。どうしたんだよ急に。お前がそんな話持ってくるなんて珍しいな」
A『んー、なんだか最近気になっちゃって。バク兄にもそろそろ恋愛してほしいって言われて…』
フォ「それは割と前から言ってることだけどな」
A『うん…なんだか引っかかるんだよね。私は、自分の気持ちに嘘を付いてるつもりは全くないんだけど、何か…自分でも分かっていない様な気がするというか……』
フォ「………それってさ、気になる奴がいるってことか？」
A『んんん…』
フォ「…お前がそこまで何かに悩むってのも珍しいよなあ…。」
A『だからっ、何でもいいから教えて！恋愛について！』
フォ「はあ…。そんなに焦る必要はないぜ、A。今まで全く経験がないとか、恋愛感情がわからないってのはおかしいことじゃない。…無理やり自分の意志ですることじゃねえよ、恋愛は。」
A『うん…』
フォ「…まあ、何かに気づけそうになってるってのは大きな進歩だよな。でもそれを無理に暴こうとすることはないよ。気長に待つんだな。」
A『…そっか…。』
フォ「…ワタシもバクと同じだ。お前には幸せになってほしい。」
そう言って、フォーは微笑みながらAの背中を軽く叩いた。
ここ最近ずっと悩みっぱなしの彼女の表情は、無理に笑っているようにも見えるのだ。
フォ「…お前が支えたい、傍にいたいって一番に思うやつを見つけな。」
A『…うん、今悩んでてもしょうがないよね！ありがとうフォーちゃん！私頑張るよ！』
フォ「ああ。お前らしくいればそれでいいよ。」
A『はあ〜、ちょっとスッキリした！』
ここ数日の心のもやが晴れたような気がした。
彼女の笑顔もまた、いつも通りに戻った。
A『よし、また頑張ろ！』
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作者名：ナジカ | 作成日時：2017年9月9日 19時
