D.gray-manー帰ってきた女エクソシスト

おかえり ページ4

「ちょっとちょっとぉぉぉ！！！！バクちゃーんっっ！！！！！」


あの名前を耳にした瞬間、バクは全速力で走っていた。方舟のある部屋に向かって。



(A……………本当なのか…………？？生きて、いるのか……………？)



正直信じられない。嘘に決まっている。
なんてったって4年も前の話だ。


長期任務中、ゴーレムとも連絡がつかなくって、どこを捜索しても手がかりなど一切つかめなくて。
彼女の持っていたイノセンスさえも消滅したと言われていたのだ。


あの状況で生きているわけがない。


教団員の誰もがそう察した。
諦めるしかない。
大切な家族を、また失ったのだと思っていた。



あれから4年だ。なぜ生きているのか。
その名を、また耳にする時がくるなんて。



「帰ってきてるのか………っAっ！！」




気づけば扉の前まできていた。
奥に目をやると、懐かしいあの面影が、バクの目には見えた気がした。


ーー2人、目が合った。
少女は口を開く。


『…バク……兄……？？』


ーー間違いない。
その声を聞いただけで、彼は確信した。
今目の前にいるのは、我が妹なのだと。
考えるよりも先に体が動いた。



「…………っっ！！…ぇ…っ！！」


『…よかった……また会えたね…っ…』



抱き合った形で、お互い涙を流す。



『……ただいまっ！、バク兄！』


「っ…ああっ………おかえり、Aっ！！」




ーーアジア支部長には、大切な妹がいたのだ。

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