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31. ページ35
一歩、マグノリアに足を踏み入れて動きを止めた
《これは...》
物騒な空気に僅かに目を細める
しかしそれ以上特に反応することなく、歩みを再開しながら答える
〈...えぇ、フリードの魔法ね
一体何をやらかしているのかしら〉
チラリと目を向け術式の内容を確認する
「...」
《本当に、何をしてるんだあの子》
聞こえた声には呆れが滲む
一先ずギルドへ向かうが、道すがらでとりあえず今の状況は理解できた
地に伏す妖精の尻尾の面々
術式に表示されていた“残り･･･人”の文字
そして
「お前だったのかよっ」
出会い頭に発動された術式
“勝った者のみ術式の外に出ることを許可する”
つまり、仲間同士の殴り合い
何故こんなことになったのかは分からないが、彼らは正常な判断力を失っている
「くっそぉ...っ！！」
恐らく人質か何か、戦わざるを得ない理由があるのだろう
とはいえ、こちらに負けてやる理由はない
力任せに振るわれた拳を重心をずらすことで躱し、自ら詰めた間合いによって曝された腹部に逆に拳を叩き込む
先に仕掛けてきたのは向こうなので手加減はしない
呻き声とともに崩れ落ちるその身体を支え、ゆっくりと地面に下ろす
術式が解除されたのを確認して再び妖精の尻尾を目指した
―――――――――――――――――――――――
夢主ちゃん、魔法より楽な物理攻撃を選びがち。
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作者名：金城にこ | 作成日時：2017年1月15日 19時
