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「Aらしいじゃねぇか
それにAがそうだったからルーシィとロキは契約できたわけだろ?」
あっけらかんとそう言ってのけるナツ
「...そんなの結果論じゃない」
言い返したルーシィの声は迷いが滲んでいる
(私は自分の選択を後悔していない
正解ではなくても間違っていたとも思わない)
けれど
(ルーシィの言う通りだわ
現状最も良い形に収まりはしたけれど、それは結果だけ見ればという話)
そう、言おうと口を開いた所で
「確かにそうだね
でも僕はそれで満足だよ」
「ロキ?!
あんたはなんで勝手に出てくるの!」
驚いて大声を出すルーシィ
「僕はルーシィと契約できて嬉しく思っているんだ
今があるのはナツの言う通り、Aが僕の意思を尊重することを選んでくれたから、そしてルーシィが僕を救おうと行動してくれたから...
だから、どちらにも感謝してる
二人の選択の先の今なんだ」
真剣な表情で話すレオにルーシィは何も言い返さなかった
言葉を噛み締めるようにゆっくりと瞬きをした彼女はやがて、引き攣ったような表情から諦めたような笑顔に変わる
「...な?
Aを責める理由がねぇよ」
そう言って笑うナツに私は何も返せない
〈人間って本当によく分からないわ〉
返答がないだろうことは分かっていてもつい心のなかで呟く
どうして、そんな風に許せる?
一歩間違えばレオは既に消えていたというのに
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作者名:金城にこ | 作成日時:2017年1月15日 19時