【刀剣乱舞】私はあんな姉のコピーじゃないので新しい本丸で暮らします。

腹の虫 ページ24

鶴丸「主！ やっと起きたか！」



私たちの声が聞こえたからなのか、ドタドタと大きな足音を立てて離の障子を開ける鶴丸。



三日月「鶴丸、足音と声が大きいぞ。ちと、静かにすることは出来ないのか？」



ほけほけと笑いながら、歩きながら後を追ってきたであろう三日月。



宗三「鶴丸、うるさいですよ。病人が居るというのに……」



鶴丸「あぁ、すまんすまん。ところで主、腹は減っていないか？」



やれやれといった表情の宗三をお構いなしに、私に腹は減っていないかと問うてきた。



そして、そのチャンスを見計らったかのように腹の虫が鳴った。



三日も眠ったままで、何も食べていないからお腹が空いてしまうのは仕方のないことなのだが、流石に人の居る前で大きな腹の虫が鳴るのは恥ずかしい。



『あー……お腹空いた。何か食べたい。台所の案内をよろしく』



今剣「それならぼくがあんないしますよ！ あるじさま！」



三日月の後ろから、ひょっこりと姿を現す今剣。



三日月「三条の皆の様子を見に行こうとしていたところ、今剣が丁度三条部屋から出てきてな、主のところに行くと言っていた為に連れてきたのだ」



今剣「いわとおしたち、ぼくがあるじさまのことをせつめいしても、ぜんぜんしんじてくれないんです！ なので、あるじさまのところにいこうとしたら、ぐうぜんろうかにいたみかづきとあったのでここにきました！」



プクッと頬を膨らませる今剣。



『信じてくれないのは仕方ないよ。でも、私は無理に人間のことを信じてもらおうだなんて思ってない。彼らにはゆっくり、人間のことを知ってもらえたら良いなって思ってる。だから、急かさなくても良いんじゃない？ けど、私のことを説明してくれてありがとう。それじゃあ、台所の案内をよろしくね』



小夜「……主、気をつけて行ってきてね……」



『うん。気をつけて行ってくるね』



此処に来てまだ四日しか経っていないけれど、少しずつ笑顔の花が咲いている。



此処の本丸を、いつかその花でいっぱいにしたい。



それが今の私の二つ目の願いだ。

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