看病してくれていたのは ページ23
『……うあああああっ！』
夢から覚め、勢いよく体を起こす。
服は汗でべったりとへばり着いている。
『や……い、や……！』
心臓はうるさいくらいにドクドクと高鳴っている。
怖い。あの夢が、正夢になりそうで。
私は、どう足掻いたって独りになる運命なの？
？「あの……大丈夫？」
突然後ろから声をかけられ恐る恐る振り返れば、まだ治していないはずの小夜左文字が座っていた。彼の両隣には、江雪左文字、宗三左文字が居る。
『え……なん、で？ まだ、治してないのに……』
頭の整理が追いつかない。私は彼を治した記憶は無い。
小夜「……貴女の辛い思いが、僕を治したんだ。消えたい、死にたい、っていう思いが」
私の考えを見透かしたかのように、小夜左文字は淡々とした口調で説明をしてくれる。
『……ごめんね。きちんと治してあげられなくて』
謝っても謝りきれないし、謝り足りない。私の余計な思いで、彼に再び命を吹き込んでしまったのだから。
小夜「……大丈夫。僕は、不幸の刀だからね」
宗三「それにしても、起きるのが随分と遅かったですね。三日間も眠っていたのですよ？」
『み、三日間も……』
江雪「具合は……どうですか？」
『もう良くなったよ。ありがとう』
小夜「……でも、病み上がりだから、まだ寝ていた方が良いよ……」
『うん、そうだね。そうするよ……ねぇ、どうして人間なんかの心配をするの？』
起きてからずっと思っていたのだが、彼らはどうして此処に居るのだろうか。
宗三「私たちとしては、大切な弟を一度折られたので人間を許すことは出来ませんが、貴女のおかげでこうしてお小夜が戻ってきてくれたので、少しは貴女のことを信じても良いのでは？ と思ったのです」
江雪「……それに貴女なら、和睦への道を切り開いてくれるかもしれないと思ったからでもあります」
小夜「……主、これからもよろしく……」
ほんのりと頬を赤らめる小夜左文字。
少しずつだけど、此処のみんなは心を開いてくれている気がする。
『よろしくね。小夜、宗三、江雪』
私も、過去に囚われすぎないようにしないとね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1984人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月姫(プロフ) - 続編おめでとうございます！最後に姉sideがきたのが嬉しかったです！日吉さんと舞織さんの会話も気になりますので、更新頑張ってください！ (2018年4月20日 21時) (
レス) id: 0b4b9a8bd2 (このIDを非表示/違反報告)
まじゅっちゃん - 液晶よ邪魔だ、どけさん» わざわざありがとうございます！更新頑張らねば！ (2018年4月15日 14時) (レス) id: 3901ea4c7e (このIDを非表示/違反報告)
まじゅっちゃん - 十六夜さん» 夢主は強い。だからこそ、どんな試練が来てもどうやって刀剣たちと共に乗り越えられるのかが見所です。ほんっと、クソ政府なんて滅べばいいのに（笑） (2018年4月14日 16時) (レス) id: c4baafbcb4 (このIDを非表示/違反報告)
液晶よ邪魔だ、どけ - 面白過ぎて更新されていないか覗きにくる最近です。主人公の性格がドストライク！更新頑張ってください！ (2018年4月14日 15時) (レス) id: 969ac3a2f0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 不穏な予感を最後に残していますが、私としては、夢主にこれ以上の不幸が来てほしくないと思ってます。ブラック政府マジで許すマジ！でも、夢主ならどんなことでも乗り越えていける。刀剣たちと共に。今度こそ、刀剣たちと夢主で幸せになって欲しい！更新頑張って下さい (2018年4月14日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まじゅっちゃん x他1人 | 作成日時：2017年12月25日 12時
