【刀剣乱舞】私はあんな姉のコピーじゃないので新しい本丸で暮らします。

悪夢 ページ22

夢を見た。



それは沢山の人が私を囲い、暴力を振り、罵声の雨を降らせていた夢だった。



私が恐れていた夢だった。



“血がつながっているのに、才能は遺伝しないの？”



“妹ちゃんは、みんなの期待を裏切るよね”



“ほんっと、出来の悪い妹がいて麗羅ちゃん可哀想”



罵声を辞めない人々の中に、嫌な思い出を私に焼き付けた人物も当然ながら居た。



竹刀を持っている体育教師。



現世にいた頃、人目の着かない所で何度もあれで殴られた。



殴られた部分は、痣となって今でも残っている。



クラス委員を無理矢理押しつけてきた担任とクラスメイトたち。



人前に立ったり、クラスをまとめるのが苦手なのに、クラスみんなの推薦でクラス委員をすることになってしまったことがある。



拒否権など私には存在しなかった。



他にも沢山居た。私の大っ嫌いな人間が。



動きたいけれど、夢だから動こうにも動けない。



痛い。辞めて。って言いたいけれど、夢だから喋ろうにも喋れない。



視界の端に、日吉さん、舞織さん、三日月、鶴丸、薬研、新しい本丸で治した刀剣たちが映る。



助けて。



そう思いながら彼らに手を伸ばしても、彼らは私に背を向けて歩いていく。



嫌。行かないで。約束してくれたじゃん……



たちまち彼らの姿は周囲の人間によって見えなくなる。



とある詩人が詩集に書いていた。



《みんな違って、みんな良い》



幼いときから唯一信じていた言葉だ。



同じ人間なんていないのに、それぞれ個性があるから良いのに。



やっぱり人間なんて、好きになれないや。



信じては裏切られてを、何度も繰り返されるのだろうか。



そんなことが繰り返されるのならいっそのこと



消えたい。死にたいよ。

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