【刀剣乱舞】私はあんな姉のコピーじゃないので新しい本丸で暮らします。

狂愛者の末路 ページ17

『うわ……真っ暗……』



先の見えない真っ暗な階段に顔をしかめつつ、足元に転がっていたろうそくを手に取り火をつける。



火をつけても尚、先の見えない真っ暗な階段に闇を感じた。



ゆっくりと階段を下り、四つ角に灯火を出現させると変な汗が滲み出た。



明るくなった地下牢には、強力な結界と札の張られた牢屋に、重傷で正気を失っている加州清光が閉じ込められていた。



目が普通じゃないし、黒いモヤもかかってる……堕ちるまで時間の問題か……



一枚ずつ慎重に札を剥がし、鍵穴に触れる。



『……いったっ！』



すると、突然鍵穴から電流が流れた。



これは前任がかけた呪術だ。鍵穴にかけられている霊力が前任と同じだから。



もう一回……



何度も鍵穴に触れては痺れての繰り返し。



これで何度目だろう。ついに鍵穴が破壊された。



『……がっ』



牢屋の扉を開けると、加州清光に首を絞められる。



当然の行いだろう。見ず知らずの人間が、こんな所に来て牢屋の扉を開けたのだから。



清光「主、主はコウやって俺を愛してクレタから、俺もこウスレば主は愛してくレルヨネ！？」



駄目だ、彼は幻覚を見ている。私をあの前任と勘違いしているんだ。



首を絞める力は、弱まるどころかさらに強くなっている。



こうなったら……！



『手を……離、せ……』



言霊を使い、加州清光の手を離す。



清光「主、どうシテ言霊を使ウの？ 俺ハ主ヲ愛しテルのに！」



『あの、さぁ、私、君の主なんかじゃ、ないから。あんな生きる価値の、ない奴と同じにしないで』



大きく呼吸をしながら加州清光に言う。



それから、一つ言いたいんだけど。と付け加え、呼吸を整えて加州清光に少しだけ睨みを効かせる。



『君、自分がどれだけ愛されてるのか実感したことないの？』

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