週末 ページ20
私が独歩と一緒に帰らなかったあの日から
毎週金曜日の夜に独歩は私の実家を訪れるようになった。
私の両親も元々、独歩のことを気に入っていたこともあり、こんなにお前のことを想ってくれているんだから許してあげたら、と言ってくる。
新幹線で来たり、レンタカーを借りて来たり。
仕事終わりにヘロヘロになりながら訪ねてくる独歩。
いつか倒れるんじゃないか、と思うほど顔色は良くなかった。
「ひとりだと眠れない…」
そう言って寝てる私の隣に潜り込んでくる独歩。
そうして、すぅすぅ寝息をたて始めるもんだから怒ろうにも怒れない。
浮気した貴方に怒って実家に逃げ帰っているのに
なんだか独歩に絆されている気がしてならない。
あんなに文句…というか怒鳴りつけたのに翌週には普段通りな独歩が実家を訪ねて来たんだもん。
拍子抜け…というか。
あまりにも、シンジュクで二人で暮らしてた頃を思い出させるような独歩の振る舞いに心が懐かしさに暖かくなるのも感じる。
いつだったか。
「…忘れ物。これないと困るだろ？」
二人の部屋に置いて来た私のスマホ。
独歩との繋がりを断とうとして置いてきたものなのに。その独歩にいとも簡単にまた繋がりを戻される。
二週間ほど、だろうか。
持ち主に全く触られていなかったスマホには友人達から沢山のメッセージ。
ひとつひとつ、友人達からのメッセージに返信して
隣でそんな私の様子を見ている独歩に「…どうして…独歩は…あんなに怒鳴ったのに、独歩を否定した私に会いに来るの？」そう尋ねた。
「……一週間頑張った俺へのご褒美、かな」
「…ご褒美、か。」
そ、っと頬に手を添えられ、スマホに向けていた視線を独歩へと移される。
「…Aに会えないと…月曜日からまた頑張れない…」
隣で寝息をたてている独歩。
目の下の隈が少し濃ゆくなっている気がする。
仕事が終わって私の実家まで来るのに新幹線でも1時間。車ならもっと時間はかかる。
どうせ、私がいなくなってあの女の子と遊んでるんでしょ、とか思っていたが、
独歩は元々器用ではないし、
毎週金曜日に訪ねて来て帰るのは日曜日の夜。
平日は毎日仕事で社畜を極めているし
遊ぶ暇なんてない、
そんなこと私が一番良く知ってる。
知ってる、のに。
独歩のこと信じられないのは
私の心が弱いから。
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死にそう - ほんとに好きです。最高すぎて、自分がこんな素晴らしいもの読んですみません…。って気持ちになる (2021年3月12日 0時) (
レス) id: 1084582c74 (このIDを非表示/違反報告)
リドルの妹になりたかった願いから生まれた夜月です嘘です。 - 独歩よ…………幸せにしてくれないと本当に真面目に泣きそうだから夢主ちゃんを幸せにしてくれぇぇぇァァぁぁ！！ 作者様も作品も本当にもう好き。 (2021年1月9日 23時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
十鞠 - 独歩ぉ"ぉ"ぉ"、、夢主ちゃんを幸せにしてぇぇぇ、、、、。感動をありがとうございます。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: fb05fdae18 (このIDを非表示/違反報告)
失格人間。(プロフ) - 凄い好きです…話の流れ。腹の中がムズムズするこの癖になる感覚がして…………好きいいいいい本当、ありがとうございます!! (2019年4月4日 11時) (レス) id: bb922c1436 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 更新ありがとうございます(´；ω；｀)ほんとに好きです…最高です… (2018年12月28日 4時) (レス) id: 73f2a4f0cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リト | 作成日時：2018年9月23日 15時
