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「雨か、」


今日は朝から土砂降りの雨だった。
結構前に梅雨は明けたって言ってたけど、今度は台風がくるのか?もう夏がくる。





いつもどおり業務をこなし、店を出たのは23時をまわってた。

残業に雨、
今日はついてないな。





電車に乗ろうと駅に繋がる商店街を歩いていると、前のほうにフラフラしている男性が。


大丈夫か?




声をかけようか迷っていたら男性の体がガクッと傾いた。

やばいっ。



咄嗟に男性の腕をとってなんとか倒れさせずに済んだけど。




「大丈夫ですか、え?きた、やまさん?」

「藤ヶ谷さ、なんで、」


北山さんの目は虚ろで焦点があまりあっていない気がした。それになんだか体が熱い。

北山さんのおでこに手を当ててみると案の定。



「あつっ!?北山さん熱ありますって!こんなになるまでお仕事されてたんですか?」

「ん、」


北山さんは辛そうに俯いた。


「とりあえず 家に帰りましょう?
送りますから。」

「でも、」

「こんな体調悪い人ほっとけません。
タクシー呼びますね。」


北山さんはたぶん歩くのも辛いと思う。
立ってるだけでもすでに倒れそうなのに。





こんな形で北山さんに会うとは思っていなかったけど、

不謹慎なのは分かってるけど、




正直うれしかった。

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作成日時:2018年6月8日 22時

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