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「ぐえっ」

「みーつけた」





大学の廊下を歩いていると、突然結構な力でフードを引っ張られる。
首が絞まってカエルが潰れたような声が出た俺は、そのままフードを引っ張った主に背中を預ける形になった。

…この、少し滑舌の悪い喋り方は。





「よこーさ」

「やっほー、みつ」

「こんにちは」





悔しいことに頭上から聞こえてくる声を頼りに、恨めがましい目でその声の主を見上げる。こんな風に扱いが雑なのは、大抵横尾さんかたまだ。予想は当たって、楽しそうな横尾さんと目が合う。

…が、その隣で予想外なことが起こった。





「北山、もう授業終わり?
…んー、なんかやっぱり呼び捨てもタメ口も変な感じするね。」





横尾さんは1人じゃなかった。…隣に、藤ヶ谷がいた。

少し照れたようにそう言う藤ヶ谷に、なんだか自分も照れ臭くなってしまう。お店以外で会うのは、これがはじめてだ。

話し方も彼を纏う空気もやわらかくて、あーきっと愛されて育ってきたんだろうな、と変に納得してしまう。





「ま、すぐ慣れるって。
それよりみつ、昨日俺が送ったメール、得意の既読無視しただろ。」

「ごめんって、朝起きて見たんだよ!ちょ、ギブギブ!」





横尾さんが俺と藤ヶ谷の肩をぽんぽんとたたいたと思ったら、そのまま首を両腕でロックされた。

横尾さんは細いけど、腕が長いから結構首締まるんだよ!





「ほんとにー?」

「ほんとほんと!嘘なし!」

「俺と太輔、まじっていいの?」

「いいってば!」

「わた、北山涙目になっちゃってるよ。」





遠慮なく締め付けてくる横尾さんに半泣きで抵抗していると、藤ヶ谷が横尾さんの肩を叩いてそう言った。

あらそう?なんて言って横尾さんが俺を解放する。横尾さん、自分のリーチそろそろ自覚して!

大丈夫?と顔を覗き込んでくる藤ヶ谷にお礼を言えば、にっこりと優しく微笑まれた。
…心臓がひとつ大きな音をたてたのは、見ないふり。





「まだ何も考えてないけどね」

「あ、じゃあ今度4人で飯行こうよ。そこで計画立てよ」

「それいいね」





横尾さんの提案に藤ヶ谷が賛同する。





「たまと来週くらいに飯食いに行く予定だから、それ、来る?」

「おー、いいじゃん。太輔も大丈夫?」





楽しそうな横尾さんの隣で、藤ヶ谷が楽しそうに笑いながら頷いた。





「楽しみだね」





そう言って俺の頭を撫でる藤ヶ谷に楽しみが倍増したのは、…俺の心の中にとどめておくことにした。

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ぴーすけ(プロフ) - kouseiさん» Sさん、いい感じにしめてくれましたよね!笑 切なかったり、楽しかったり。まだまだいろんな2人が見れると思うので、引き続きお付き合いお願いします( ´ ▽ ` )ノ (2016年3月25日 12時) (レス) id: ed0adb3f82 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 2人にとって、最高の思い出にさせてあげることができて本当に嬉しいです。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうので、これから2人はまだ現実で色々悩んでもらう…かも!?です。何せ先を決めてないのでこれからどうなるか私にもまだまだ未知数です。笑 (2016年3月25日 12時) (レス) id: ed0adb3f82 (このIDを非表示/違反報告)
kousei(プロフ) - えぇっ!最後がすごく気になる感じに… 夢は覚めるものって何があったんでしょう?なんだか切ない予感がします(泣) (2016年3月24日 20時) (レス) id: 2f946ced33 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ふたりにとって最高の思い出♪にキュン。太ちゃんもみっくんもお互いの言葉が本当に嬉しかったんだなぁって私も嬉しいです♪楽しい時間が過ぎるのは早いですよね‥太ちゃんの様子・・心配で気になります‥どうしたんだろ‥夢の時間が終わっちゃった(泣)続き待ってます (2016年3月23日 20時) (レス) id: c5bfccd947 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 渉サン玉チャンの粋な計らい・・ホントかっこいいですよね♪そのキモチを受け止めてみっくんが太ちゃんに一生懸命伝えた言葉‥見ていてグッときました(泣)パレードは見れなかったけどふたりにとっては素敵な時間♪という想いが伝わってきました♪もぅすごーく感動 (2016年3月21日 9時) (レス) id: c5bfccd947 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:S・ぴーすけ | 作成日時:2016年2月15日 0時

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