イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ36)

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『おはよう』

「Aちゃんっ！」

ドアを開けて挨拶した瞬間、目の前が真っ暗になった。

それは決して倒れたとかではなく

「Aちゃん、大丈夫！？生きてる！？」

『生きてなきゃ会社に来ないでしょ！』

急に抱き着いてきた相葉くんのせいだ。

『女子の視線が怖いから離れて。今すぐ』

「でも････！」

「仕事ほっぽって何してんだ相バカ！戻ってこいや！」

「ちょっ、ニノ！Aちゃんが心配じゃないの！？」

「ただの風邪でしょうが！大野さん以上に過保護になってどうする！」

二人は相変わらず騒ぎながらデスクに戻って行った。

なんだかんだで、二宮くんも心配してくれたんだよね。

ラインで済ませちゃったのあれだったかなぁ････。

･･･････今度奢ってあげよう。

「大沢さん、大野さん。おはようございます」

『ん？････あっ！佐倉ちゃん。おはよう』

ニッコリと笑う私とは反対に、暗い表情をしている佐倉ちゃん。

何かあったんだろうか。

視線が私の後ろの智に行ってる気がするけど。

『佐倉ちゃん、元気ないけど･･･何か悩み事でもあるの？私でよければ相談に乗るよ？』

「いっ、いえ、その･･････」

佐倉ちゃんはしばらく言い淀んでいたけど、

何か覚悟を決めたのかバッと顔を上げた。

「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿っわ、私！大野さんのことが好きです！」

『････････へ？』

「いえ、好きじゃありません！愛してます！！」

『え？あ、ああ、うん････？』

「･･････」

チラッと智を見ると、ビックリするくらい冷たい表情をしていた。

思わず肩が上がったけど佐倉ちゃんは構わず言葉を続けた。

「大野さんに何言われたって、この気持ちは消えませんから」

「････しつこい奴は嫌いだって言わなかった？」

「聞きました。でも諦めません」

「･･････はぁ････」

智は深いため息を零し、佐倉ちゃんの視線は智から私へと移った。

「大沢さん。このままじゃダメです」

『え？な、なにが？』

「大沢さんは、大野さんを選んだけど････このままで本当に良いと思ってるんですか？」

『！！』

････ああ、そういうことか。

好きな人を取られて困ってるのね。

でもごめん。

私、智の手を離すの怖いから。

私の知らないところで智が壊れたり、今度こそ離れたりするのなんて絶対に嫌。

だから、答えは変わらない。