イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ28)

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「あなたが大沢Aさん？」

凛とした声が頭上で聞こえる。

恐る恐る顔を上げると、そこには超美人の女性が仁王立ちしていた。

「あの････」

『あっ、は、はい！私です！』

「とりあえず、中に入ってもらえますか？お話があるので」

『は、はい･･･』

「松本さんは････」

「ああ、もちろん入りませんよ。俺は仕事に戻ります」

『松本くん！？』

確かに「ついてきてほしい」って言った。

その時に「待っててほしい」とは言ってない。

だけど！それにしても！！

何言われるか分かんないんだよ？

最悪、何されるか分かんない。

万が一のために録音しとけって言ったの松本くんじゃんか。

「ありがとうございます！････大沢さん」

『ハイ、入リマス』

もう産まれたての小鹿のごとくぷるぷる震えながら社長令嬢の後に続く。

社長室はびっくりするぐらい豪華で、ソファも輝いて見える。

一生訪れることはないと思ってた。

「さて、と。＿＿＿＿＿＿＿＿＿大沢A」

おお、声のトーンが明らかに低くなった。

しかも表情も超不機嫌そう。

「私があんたを呼び出した理由、分かる？」

『い、いえ････』

首を横に振ると、あからさまに呆れたため息を吐かれる。

「翔さんのこと･･･って言えば分かる？」

『！！』

翔くんのこと････。

それだけで嫌な予感が一気に押し寄せてきた。

「私、四日前にたまたま営業部の男達の会話を聞いたのよ。翔さんに会いにきたんだけど、同僚に囲まれてて･･･それでなんとなく聞いてたら、彼女と別れたって言うじゃない！もう絶好のチャンスだと思って！！」

『は、はぁ･･･』

「翔さんに「結婚してほしい」って頼んだら、「お付き合いからでよければ」ってオッケーしてくれたの！」

ズキンと胸が痛む。

翔くん、本当に社長令嬢と････

って、あれ？

翔くんの話と違うじゃん。

私とこの子、二人と付き合ってたって。

二股してたんだって言ってたのに。

この子の口ぶりからすると、付き合ったのは四日前。
めちゃくちゃ最近。

･･････翔くん、嘘ついたんだ。

いや、それを責める権利はもちろんないけども。

『え、えっと。おめでとうございます。それで、どうして私を･･･？』

「しらばっくれないで。営業部の子から聞いたわよ。あなた、翔さんと付き合ってたらしいじゃない」

『っ、そ、れは････』

その営業部の子呼んでよ。

説教したい。