イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ24)

今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:73,171 hit

～１６８～ページ24

寂しいし、もう智があんな風に笑ってくれなくなると思うと悲しいけど。

でも、それが智の答えなら････“智の”意志なら、私は尊重したい。

「･･････今日、全部話そうと思ったのはさ････Aに傍にいてもらうのに、ずっと薫として接してたら失礼だなと思って･･･。やっぱり、“俺”と一緒にいてほしいから」

『智と･･･』

「恋とかそんなんじゃなくて、執着や依存だって気付いても･･･それでも、俺はお前と一緒にいたい。････こんな俺だけど、これからも傍にいてくれる？」

『＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿私は、』

恋とか、愛とか、そんな単純で綺麗なものじゃなかった。

むしろそっちのほうが楽だっただろうね。

きっとお互い、恋愛感情を抱くことは無い。

ただの友達で、

ただの幼馴染。

だけどそれでも一緒にいたい。

これからは、“薫ちゃん”じゃなくて、“智”と過ごしていきたい。

ちゃんと智を知りたい。

翔くんを忘れられない私がこんなことを思うのは、きっとあまりにも身勝手なんだろうけど。

それでも傍にいたい。

『一緒に、･･･いたい』

「････そっか」

『でも、最後にこれだけ聞かせて』

「ん？」

私と智は似た者同士だと思うの。

お互いに依存してることもそうだけど、好みとか嫌いなものとか、癖とか。

『素直に言ってね。嘘は絶対につかないで』

「･･･ん」

だからこそ私は、直感だけど思う。

私が翔くんを忘れられないように、智も忘れられない人がいるんじゃないかって。

『＿＿＿＿＿＿＿佐倉ちゃんのこと、好きなの？』

智が佐倉ちゃんに「さようなら」を言った日。

すごく悲しそうで、つらそうだった。

さようならを言われたほうはすごく悲しいけど、

だけど、私は今回のことで分かったよ。

「さようなら」を言うほうもつらくて悲しいんだって。

「なに、言って････」

『正直に答えてくれなかったらさっきの言葉取り消すから』

「！！･･････はぁ」

智は遠くを見つめて、今にも泣きそうな顔で笑った。

「････思い出したくなかったのにな」

『･･･好きなの？』

「･････好きだったよ」

あれはきっと、恋だったんだ。

って、智は目を伏せた。

「最初は別に好きじゃなかったし、どうでもよかったんだけど････っはは、」

何でだろうな、なんて。

答えはもう分かりきってるでしょ？