紫の一匹狼 (ページ28)

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じゃあ俺も一緒に喋る〜というき声の主を
お前空気読め、と引っ張られていくのを見れば
少し5人と距離をとってその名前をタップする。

『もしm 「樹、！」

『……ん、なあに？笑』

「あ、いや、えっと……飲み会、楽しかった？」

電話待ちしてたんだろう。

1コールもいかないうちに勢いよくでてきた
その声はそれを隠すようにしりすぼみになってく。

『飲み会じゃなくて誕生日会、な笑』

「そんなのどっちでもいーじゃん」

「どーだったの？」

『あいつらいつも通りうるさかったよ』

『でもそれがすっげぇ心地よかったわ』

なんかAの声聞いてたら、さっきまで隠してた本音が、
蓋を押し出すように溢れてきて。

すると今度はそれにうん、うんと楽しそうに
聞いてくれた声の主も溢れてきたようで。

「……ほんとは…さ、直接言いたかったの」

『うん』

「今この時の誕生日の田中樹は今しかいないわけだし、」

「……あーっ、悔し、」

なんて事言ってくれるから

『……ふーん？俺に会いたいんだ？』

なんて冗談めかして聞いてみる。

だからまさか

「うん、そうだけど悪い？」

なんて返しが返ってくるとは思わず、
自分でもわかるくらい口角が緩んだ。

「…樹、？」

『……お前それはだめだわ』

「え？なにが？」

『はぁ………よかった、お前いたわ、』

「え、ほんとに何言ってんの？」

「酔いすぎじゃない？怖」

いつも通りに戻るAにまた安心する。

なんか、Aの言う通り…うん、酔いすぎてんのかも。

「……まーとりあえず、さ、」

『ん、？』

「…………おめでと、樹、くん、」

『え、今なんてジ「ねー2人電話長すぎるからー！」

松「ジェシー、俺にも変わって〜」

スピーカーにすれば良くね？！なんて
声の中から携帯を取り返すとすでに
切れていた電話。

お前らなぁ、とまた携帯に視線を戻せば
一件の通知。

″ 私も酔いすぎたみたい ″