五十六話 ページ7
二日後、陸に上がる日になり、我々は水面へと向かっていた。
姫はとても大切そうにアクセを持っている。
幸せそうで何よりだ。
「あ、美蘭久しぶり、水蓮さんも」
「お久しぶりです、彼方様」
二人は仲良さげに会話をしだす。
取り残された私達はそんな二人を眺めていた。
「仲ええなぁあの二人…」
「リア充ですね、アハハハ」
「まふくん戻ってきてや」
「そういや姫なんか持ってるけど…」
『ああ…姫!渡さなくていいのか!』
そう言うとハッとなり、まず四人に渡して、次にまふまふ、最後にそらるに渡す。
「あ、真冬様のは水蓮が作ったんですよ」
「へっ…!?そうなんですかっ…!?」
『…ふんっ…売るなり好きにしろ』
「う…売りませんっ…!家宝にしますっ…!」
嬉しそうな笑顔でそう言われるから少し照れてしまいそうになる。
少し胸がポカポカする。
こうやって喜んでもらえるのを見ると。
この気持ちは何なのかわからない。
けど…嫌な感じはしなかった。
「にしても水蓮さんが岩場に座っとるの珍しいな…」
「いつも水の中やしなぁ…」
『気分だ気分…』
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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年12月26日 15時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
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