海の歌姫、陸の歌人２ (ページ39)

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八十九話ページ39

姫より泳ぐのが早い私は急いで二人の方に行き、呼吸できるように魔法を使った。

「けほっけほっ！！！」

『何してんだドアホ！！！』

そう言うと二人は少し困ったような顔をした。

とりあえず事情を聞くために移動する。

陸に行こうとすれば止められたので人魚の世界に向かった。

そして姫の部屋で話を聞いた。

『とりあえず…どうするんだ…』

「……どうしましょうね…」

「戻っても殺されそうだよな」

二人は少し困ったように話をする。

私達も少し困っていた。

「…私は…」

姫が声を出したのでそちらを見る。

「私はっ…彼方様と離れるくらいならっ…

ここにいてほしいですっ…！」

まさかの発言に私は驚いた。

『しかし姫、彼らは人間界では名の知れた人物…

急にいなくなれば人間共は騒ぐぞ…！？』

「っ…」

姫は少し苦しそうな顔をする。

それでも彼らは人間界で必要とされている人間だ。

そんな人間を縛り付けることはできない。

たとえ恋をしていたとしても。