第77話 ページ41
瞼を持ち上げて、閉ざす。
もう一度、同じ動作を繰り返す。
……眩しい。
それが一番に感じたことだった。
次に。ゆっくりと首を巡らせて、気が付く。
知らない部屋に寝かされている。
結論に至ると同時に血の気が引いた。
此処は、どこだ。
跳ね起きた拍子に、掛かっていた布団がずり落ちる。
けど、そんなこと気にしている場合じゃない。
はやく、この場所を離れないと。
「──何処へ行く心算ですか」
ドアノブに手を掛けた時、後ろから聞こえてきたのは知った声。
いつの間に。
いや違う、きっと彼は最初からこの部屋に居たんだ。
それにも気付けないぐらいオレが動転していただけ。
「……あんご、さん」
絞り出した声は多分震えていた。
貴方には関わりの無いことでは？
それでもどうにか、それだけは音にして部屋を出ようとする。
「宵羽君、」
呼び止めはしたものの、そこから先、安吾さんが動く気配は無い。
だから、振り切ってこの部屋を飛び出すのもそう難しいことではない筈で。
なのに、オレは動けなかった。
ただ真っ直ぐに此方を見据える視線がつらくて、目を合わせ続けることすら出来ないで、俯く。
「……ごめんなさい」
「それは、何に対する謝罪ですか」
そんなの、オレだってわからない。
わからないけど、今のオレに出来ることはこれだけしか無い気がしたんだ。
ごめんなさい。
届いたかも怪しい二度目の謝罪を紡げば、目頭が熱くなってきて。
慌てて抑えようとしても、もうだめだった。
誰に向かって何をあやまっているのかもはっきりしない。
頬を濡らす雫は止まってくれそうにない。
そんな中、ただ「ごめんなさい」という音だけが振り積もっていった。
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fiest(フィエスト)(プロフ) - 雨宮さん» お返事遅れましてすみません。雨宮さん、コメントありがとうございます。まだまだ続きますので、もしよろしければ気長にお付き合いください。 (2022年12月25日 23時) (
レス) id: ecf63f7120 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 - 面白いです。これからも楽しみにしています。 (2022年11月15日 10時) (レス) @page41 id: 27a6582a0d (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - ゆめのさん» ゆめのさん、コメントありがとうございます。大変な亀更新ですがちまちま作っていくつもりですので良ければお付き合いくださると嬉しいです。 (2020年4月25日 21時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです！更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年4月17日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - 怪盗MOON さん» MOONさん、再度感想を寄せてくださりありがとうございます。己の好みに従った結果こうなっちゃいました……wちまちま更新してますのでゆっくり待って頂ければ幸いです！ (2020年1月6日 0時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fiest(フィエスト) x他1人 | 作成日時：2018年6月5日 18時
