番外編 �� ��(太宰治side) ページ32
「……」
何故、私は今、首領と中也と共に姐さんの部屋に居るのだろうか。
溜まっていた書類を渋々片付けていた所に召集が掛かり、首領の執務室へ向かうと、同じく呼び出されたらしい中也の姿があった。
私達二人が揃ったのを確認した首領は執務机から立ち上がると、どこか落ち着かない、そわそわした様子で
「付いて来給え」
と一言だけ言って歩き出した。
そして首領が向かった先が姐さんの部屋。
首領は先程からずっと何かを待っている様だ。
しかし、それを尋ねたところで返って来るのは
「見てのお楽しみだよ」
という言葉だけ。
一体何があるというのか。
中也もまた、怪訝な表情を浮かべている。
……実に不本意だが、今回ばかりは私も同じ状況だと認めざるを得ない。
ガチャッ
突如、隣室のドアが開いた。
出て来たのは、藍色を基調とした和服に身を包み、黒髪を目と同じ位の高さで低めのツインテールにした、小柄な少女。
13、14歳位だろうか。
面識は無い筈だが、何故だか私はこの少女を知っている気がした。
少女と目が合う。
「……っ！！」
瞬間、少女は瞳を大きく見開いたかと思うと、勢いよくドアを閉め、今しがた出て来たばかりの部屋に戻ってしまった。
……？
何だったのだろうか。
「首領……。今の、少女は……？」
中也も何が起きたのか把握出来ていない様で、呟く様な調子で疑問を口にする。
首領の方を見ると、ニコニコと笑っていた。
まるで「とても良いものを見た」とでも言わんばかりの満面の笑みだ。
「おや、気付かなかったのかね？彼女は────……」
首領は勿体ぶる様に一度言葉を切ると、再び口を開いた。
「…………真理ちゃんだよ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fiest(フィエスト)(プロフ) - 怪盗MOONさん» コメントありがとうございます。不定期更新になっていますが頑張ります！ (2019年12月29日 8時) (
レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - 怖い！姐さんが怖い！けど面白い！頑張ってください！ (2019年12月28日 19時) (レス) id: a4bcfb41fb (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - はらさん» ありがとうございます。外しておきました！ (2018年4月23日 10時) (レス) id: c32790ae98 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月22日 22時) (レス) id: 3032af9fae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fiest(フィエスト) x他1人 | 作成日時：2018年4月22日 21時
