スルク ページ31
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アシㇼパ「アイヌはウェンカムイの歯や爪を切り落として殺した人間の下に埋めたり...」
アシㇼパ「バラバラに細かく肉片にしてばらまいたりして二度とこんなことをしないように神様に文句言う...」
グルルゥ...
お昼から何も食べていないから
アシㇼパのお腹の音はとても大きい
杉元「アシㇼパさん...」
杉元「このヒグマは爪も目もあるだろう?」
杉元「殺したのはこのヒグマじゃないよ?ほかの2頭だよ?」
杉元「オレ近くで見たから間違いないもん。」
アシㇼパ「えぇ〜ほんとにぃ〜?」
グルルゥ...
アシㇼパ「でもあちゃ〜」
アシㇼパ「またニリンソウがないんだよなぁ!!」
アシㇼパ「肉の味を倍にさせるニリンソウが...」
杉元「アシㇼパさんアシㇼパさん!!」
杉元「あるんですよ!!ニリンソウが...!!」
杉元「森で見つけたとき背嚢にたっぷりとニリンソウを摘んできたんですよぅ!!」
杉元さんは背嚢を開けて
私たちにニリンソウを見せてくれたのだが...
アシㇼパ「杉元これ...ニリンソウじゃないぞ...?」
杉元「え?」
アシㇼパ「スㇽク...トリカブトだ!!」
背嚢の中にはたくさんのスㇽクが...
『この時期のニリンソウはスㇽクとよく似ていて間違いやすいのですよ。』
『ニリンソウとスㇽクは花が咲くまで見分けが難しいです。』
アシㇼパ「トリカブトのほうが揉み潰すとピリッとしたにおいをがする。」
アシㇼパ「でも杉元が間違えたおかげで残りの赤毛と戦えるかもしれない。」
アシㇼパ「アイヌが毒矢に使うのはトリカブトの根っこの部分だ。
アシㇼパ「でも春の若葉にも毒は多い。」
アシㇼパは竈に巻を入れて鍋を置いた
アシㇼパ「直接火にかけると熱すぎて毒が消えてしまうのでこれも湯煎する。」
アシㇼパ「すべての葉っぱの水分を飛ばしてカリカリにする。」
スㇽクの葉がカリカリになったら...
アシㇼパ「すり潰してツバなどを入れながら泥にする。」
アシㇼパ「毒矢の作り方はみんな秘密にしてるからわからないけど、私の家では効力を高めるために昆虫とか狐の胆とか混ぜていた。」
アシㇼパ「スㇽクの強さを確かめる方法としてザトウムシのくちに塗るというのがある。」
アシㇼパ「毒が強いとあっという間に足がバラバラと落ちる。」
アシㇼパ「でもまだ寒いからザトウムシがいない...」
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年3月23日 7時
