形勢逆転 ページ32
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アシㇼパ「他の方法として下を糸で縛って先っぽに毒を少し乗せるというのがある。」
アシㇼパ「痺れて耐えられなくなったらマキリで毒をこそぎ落とす。」
アシㇼパ「杉元、舌を出せ。」
アシㇼパは杉元さんの舌を糸で縛ると
泥にしたスㇽクを舌に少量乗せた
杉元「ほっ...ほっへ...」
白石「なに?」
杉元「ほっへふへッ...」
杉元さんは汗をダラダラとかき始めた
アシㇼパ「他にも指の股に挟んでおく方法もあるけどそっちの方が良かったか?」
杉元「はやふほっへッ!!」
アシㇼパは杉元さんの舌の上のスㇽクをこそぎとった
アシㇼパ「あとは農具の柄を削って槍を作る。」
アシㇼパ「アイヌの毒矢と同じで刺されば毒の置いてある先っぽが体内で外れる仕掛けだ。」
アシㇼパ「槍の先のくぼみに毒の団子を乗せる。」
アシㇼパ「毒の固定には松脂が必要だけどここには無い...」
キロランケ「シライシの飴ちゃんを溶かして使ったらどうだ?」
アシㇼパ「なるほど!!シライシ飴ちゃん全部出せ。」
白石「クーン...」
白石さんはアシㇼパに飴ちゃんをすべて渡した
飴ちゃんを溶かす匂いは...もう...
杉元「イナンクルさんの目がすごい輝いてる...」
アシㇼパ「余ったらイナンクルにあげよう。」
.
そして...
アシㇼパ「よしッ!!赤毛どもを斃してここを脱出するぞ!!」
槍先にスㇽクのついた毒槍がたくさんできた
形勢逆転すべく私たちは赤毛のヒグマに挑む
ドスッ!!
アシㇼパ「毒が弱いからすぐには死なない!!」
アシㇼパ「もう一本打ち込め!!」
ブオオオッ!!
ミシミシッ...
白石「嘘だろ!?もう1頭が二階に侵入してきたぞ!!」
ザシュ!!
ヴオオオオッ!!
杉元さんとキロランケニㇱパがヒグマの相手をしているうちに、私たちは出入口に置いた脱穀機や柱を急いで退ける
白石「急げ急げ!!」
『グッ...ううッ...!!』
アシㇼパ「イナンクル、あまり無理はするな!!」
ここは無理をしなくては...
早く動かさないとみんなが危険に...
ガダンッ!!
白石「退かしたよ!!早く逃げよう!?」
キロランケ「シライシ馬を連れて行け!!」
仲沢「あ...親分の長ドス...」
キロランケ「先に行け杉元ッ!!」
キロランケニㇱパがヒグマを食い止めているうちに私たちは外へ出る
仲沢「親分...」
杉元「立て!!脱出するぞ!!」
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年3月23日 7時
