放課後の教室にて ページ1
和瑠子「ねぇ、A」
A「っ……! ど、どうしたの?」
和瑠子「あのさあ、今日の休み時間。太郎君と話してたよね」
A「あれは委員会の話で、別にそんな変な話じゃ…」
和瑠子「それは別にどうでも良いの!!! 私が太郎君のこと好きなこと知ってるんでしょ!?」
A「そうだけど! あれは委員会の相談でしなきゃいけない質問だったから!」
和瑠子「…‥まあ良いわ。ちょうど貴方のことむかつくと思ってたの」
和瑠子はAの、ポーチ型の筆箱についた、ピンク色の可愛らしいキーホルダーを手に取った。中に散りばめられたラメが、教室を浸食している黄昏に照らされて、綺麗な暖色に光っている。
和瑠子は、そのキーホルダーを舐めるように見つめてから、その筆箱ごと床に叩きつけた。
A「ちょっと、何してるんです……」
和瑠子の純白の上履きが、そのキーホルダーを踏みつけた。
その可愛らしいキーホルダーが、パキパキと音を立てる。そのキーホルダーを付けた筆箱も、同じように踏み躙られて、徐々に茶色い汚れがついていく。
和瑠子「……ふふっ」
A「っ!!!」
Aの体を、噴き出した冷や汗が伝っていく。それと共鳴するように顔が青ざめる。
和瑠子「これ、太郎君を奪った代償だから。今度はこんなんじゃすまないからね〜。次やったらどうなるか……Aなら、わかるよね?」
たたた、と上履きが床を叩きつける音が、放課後の静かな教室に響く。
薄汚れた床に、Aの筆箱と、ピンクのキーホルダーが落ちていた。
さっきは和瑠子の上履きに隠れてよく見えなかったが、今改めて見ると、そのキーホルダーはヒビが入っているのがわかる。
ポーチ型の筆箱は、和瑠子の靴裏の汚れで、焦茶色に汚れている。
Aはその変わり果てた筆箱の姿を呆然と見ていたが、一瞬瞬きをすると、正気を取り戻したと言った表情でこう言った。
A「……そうだ、魔法少女の仕事、行かなきゃ」
ラッキーカラー
あずきいろ
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甘草リコ - こんな駄作者ですが、今後ともよろしくお願いいたします。10月より新作品を更新する予定ですので、気長に待っていただければと思います。よろしくお願いいたします。 (2022年9月23日 1時) (レス) id: 95ef1aa62b (このIDを非表示/違反報告)
甘草リコ - 皆さん、大変申し訳ないのですが、パスワードを忘れてしまい更新不可となってしまいました。見てくださった方々には大変申し訳ございません。次こそ、皆さんに素晴らしい作品を届けられるよう頑張っていきたいと思います。 (2022年9月23日 1時) (レス) id: 95ef1aa62b (このIDを非表示/違反報告)
甘草リコ - むつさん» あああ!! 返信遅れてごめんなさい!! いじめっ子に浣腸……卒業するときにいつかやってやりたいと考えていまs((( ゆっくりやすみます。あと誤字の指摘ありがとうございます!!!!!! (2022年6月21日 21時) (レス) id: b10498da77 (このIDを非表示/違反報告)
むつ - はじめまして!作者さんをいじめる人なんて、浣腸s……((すみませんでした。主人公ちゃんみたいにかっこよく言い返したいなと思っても、現実ではなかなかできませんよね……。ゆっくり休んでください!あと、「心」が「葵」に変換されちゃってるかな?と思います! (2022年6月14日 19時) (レス) @page12 id: 7d80cfa994 (このIDを非表示/違反報告)
甘草リコ - なずなさん» なずなさん……! ありがとうございます。本当に嬉しいです。いじめは本当に消滅してほしいですよね。いつか帰ってきます!! 絶対!! 本当に見ていてくれてありがとうございました。 (2022年6月10日 22時) (レス) @page12 id: 95ef1aa62b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘草リコ | 作成日時:2022年5月3日 20時