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第31話 千樹草の試し ページ4

キジャが船長に抗議するがヨナが

「キジャ いいの
ギガン船長の言う通りだわ
だけど私達にも引けない理由がある」

『ヨナ...』

ヨナに右手を握られ
私はぎゅっと握り返しギガン船長を見た。

ギガン船長は不敵に笑い

...いい眼をしてるじゃないか

「いいだろう 本当は一人で行かせるものだが
小娘二人だ たいして変わらんだろう
お前たちが役に立つかどうか
信頼に足る人間かどうか
一つ仕事をやってもらおうじゃないか
命がけの仕事をね」

『命がけの仕事...?』

思わずヨナの手を強く握った。

「そう 今のお前たちは何の役にも立たないお荷物だ
お荷物でも私らと一緒にクムジと闘うってんなら
それ相応の覚悟を見せてもらうよ」

「覚悟...わかった 何をすればいいの?」

船長は聞いたこともない名を言った。

「...千樹草を取ってきてもらおうか」

後ろに控えていた海賊の1人が

「船長 それはあんまり...女の子にそんな...」

「口を挟むんじゃないよ お前にはムリだろ」

船長は千樹草について説明してくれた。

「千樹草とは雲隠れ岬に生えている
病や傷の治りを通常の3倍早める万能薬さ」

『万能薬...』

「3倍⁉ そんな薬 初めて聞いたよ」

「高華王国では雲隠れ岬にしか生えない
貴重な薬でね 阿波でも知ってる者はごくわずか
数が少ないから全部摘んでもいけない
もちろんクムジにも知られてもいけない
やつらはこれを法外な値段で売りつけるだろうから
その薬草があれば今 負傷してる仲間も早く回復する
これからの闘いに大いに必要なものだ」

ジェハは無言だった。

「ちょうどいつもそれを取ってくるヤツが
負傷しててね そいつのかわりをしてくれるなら
お前たちを認めてやるよ」

「わかった」

「ああ 言い忘れてたけど」

船長は私の前に来て煙管を近づけながら

「千樹草は断崖絶壁の中腹に生えている」

ユンとキジャが驚き止めてくるけど

『大丈夫だよ 2人とも』

「これは私と姉様の仕事だから」

「いい心掛けだ ジェハ 案内しておやり」

「はいはい」

ヨナと私は一度振り返り
みんなに声をかける。

「じゃ 行ってくるね」

『すぐ戻るから...待っててね みんな』


ジェハに連れられていく2人を見ている残された
ユン、キジャはハクに声をかける。
シンアはハラハラして落ち着きがない。

「いいの? 行かせて」

「今からでもお止めして...」

「無駄だ
ああいう時は止めても聞かねェんだ 姫達は」

●断崖絶壁→←●ギガン



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桜華(プロフ) - fruitさん» ありがとうございます。原作が素晴らしいからですね。ハクヨナ素敵ですよ! (2021年8月13日 14時) (レス) id: f1fabf8b23 (このIDを非表示/違反報告)
fruit - 初めて読んでみたけどとても面白かったです! (2021年8月13日 13時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - はじめまして 沙那さん 嬉しいお言葉ありがとうございます ぐだぐたですが更新していきます (2019年10月31日 20時) (レス) id: f1fabf8b23 (このIDを非表示/違反報告)
紗那(プロフ) - 初めまして、読んでいて先がどうなるのか凄く気になります。想い人のハクと結ばれて欲しいなと思いました。これからも頑張って下さい!更新を楽しみにしてます(^^) (2019年10月31日 18時) (レス) id: fa79a8dffc (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - アイさん コメントありがとうございます頑張ります (2019年10月5日 23時) (レス) id: f1fabf8b23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲夜 | 作成日時:2019年10月2日 10時

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