Lust 紅と白と緑と黒 ページ7
「ロイさんは城に仕える剣士…なんですね」
ロイの前に紅茶を出しながら少女は言った。
「まあね。っていっても、そんなに大した位じゃないよ」
「そんなことないです」
反対側に座った少女は首を横に振る。
「ちゃんと自分の仕事をしてるなんて、立派です」
「そう…かな」
ーー僕の仕事は、汚れ仕事なのに?
自嘲気味にそう考えるロイに、少女が言った。
「あっ、自己紹介が遅れてしまいましたね。私は、アルメリアと言います」
「アルメリア…」
確か同じ名前の花があったような…とロイは思った。
「…綺麗な名前だね」
無意識にこぼれた言葉に感情が込められていて、ロイは驚いた。今までは心無い褒め言葉しか言わなかったからだ。
「そんな、綺麗だなんて…ありがとうございます」
アルメリアは照れたのか、頰を赤く染めて礼を言った。
「えっ、いや別に、僕は本当にそう思ったから言っただけで…」
それを見たロイも同じぐらい顔を赤くして答える。
なぜだろう。今までにも似たようなことはあったのに、どうして彼女にだけ本気で言葉を紡ぎたくなるのだろうか。それぐらい、彼女は魅力的なのだろうか?
…きっとそうなんだ。だから、こんなにも胸が苦しくなるんだ。でも…
「どうしましたか?」
「ごめんね。今日はもう、戻らなきゃ」
「そうですか…」
『悪』の僕が人を好きになっちゃいけない。
だったらせめてーー
小屋の外で、二人は言葉を交わす。
「また来ても…いいかな?」
「はい、いつでも待ってます」
「うん…」
「それじゃあ」
「お仕事、頑張ってください!」
「…!ありがとう」
微笑みながら激励するアルメリアに手を振り、ロイは森を後にする。
その様子を、二人の人物が木々の後ろから見ていた。
「…なんだありゃ。あの二人、夫婦か?」
緑の衣に身を包んだ金髪碧眼の青年が言った。
「正確には『なる予定の』な」
全身黒ずくめ、灰色の髪と赤目の青年が言った。
「いや〜それは知ってるぜ?でもなんつーか…最近の若者はアレだな、さりげなく積極的だな!」
「…オマエはじじいか」
黒い方が呆れたように言う。
「そんな事より早く回収しようぜ。『あの方』も言ってたろ?アイツが最初の『器』だって」
「おっ、そういやそうだな。じゃあ…とりあえず王城まで行ってみるか!」
緑は笑顔でそう言うと、ずんずん歩き出した。
「あのなぁ…」
黒が呆れたように呟き、後を追う。
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結城 - 面白いからしただけだよ!? (2019年4月1日 9時) (レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だるうさ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/feif051019/
作成日時:2017年4月2日 14時