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MoonDust_44 ページ46

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ご飯を食べてる時、白膠木さんはいつもより沈んでる感じだった。


正直、今までは誰が機嫌が悪くても気にならなかった。


けど、何となく今日は少し落ち着かないような、そんな様子の白膠木さんが気になった。


だから、聞いてみたし、荷物が気になるって事だったから後で中身一緒に確認すればきっと


気持ちも落ち着くんじゃないかって。


こんなに気にしてバカみたい。だけど


いつもみたいに元気がない白膠木さんはなんか嫌だ。


今はご飯を食べ終わって片付けの最中。





簓「なぁ、Aちゃん?なんか手伝うことあらへん?」





貴「ないですね。白膠木さん、
いかにも家事できなさそうじゃないですか。」




簓「なっ!それくらい簓さんだってできるわ!
ご馳走になってばっかりじゃアカン。」




貴「とは言っても。買ってきたばっかりの
食器割られても困るし。」




簓「なぁ、Aちゃん、ちょっと
俺の事バカにしとるやろ?」




貴「いえ?まったく、これっぽっちも
ただ、家事とかまったくできなさそうだなって
思っただけですけど」





さっきまで心配してたけど、心配する必要なさそう。


今はいつもの調子だ。


ちょっと辛辣なこと言っても大丈夫。





貴「…よし、片付け終わりました。」




簓「Aちゃんはホンマに何でも自分でやるやんなぁ…
ちょっとくらい周りの人間に頼ってもええんやで?」




貴「…何言ってるんですか。」





頼らせてもらってますよ。


こっちに来てから、何度も


いや、こっちに来る前から、何度も助けて貰ってる。


でも、これは今は言わなくていい。





貴「…とりあえず、荷物開けましょうよ。
私も何が入ってるか知らないし。」




簓「お、せやな!忘れとったわ!」





白膠木さんはソファの横に置いておいた荷物を持ってやってきた。


私はカッターナイフを持って荷物を開ける。


隣でゴクリと生唾を飲み込む音が聞こえる。


そんなに緊張することでもなんでもないのに真剣にダンボールの蓋が空くのを待ってる白膠木さん。


犬みたいだ。





貴「…これは」




簓「はへ、これだけ?」




貴「手紙と、調理器具…と、オレンジのクマのぬいぐるみ。」





入ってたのはシンプルな封筒に入った手紙と


調理器具、あとオレンジのクマ。


これ多分理鶯さんだ。


手紙も理鶯さんからだし。


もう既に懐かしい名前に思わず、口元が綻んだ。



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作者名:夢乃叉優芽 | 作成日時:2023年3月11日 22時

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