第５話 『ロケットペンダント』 ページ5
入学式の季節に咲く桜の花が散り切って、緑一色になり、学校の制服も気温に合わせて半袖指定になる頃、私はとある新設校に訪れた。
設立二年にも満たないこの学校の名は、《誠凛高校》。
ここが、一年間私がリハビリと
転入試験は難なく合格出来たので授業にはついていけるとは思うが、やはり
《彼》のくれたロケットペンダントを握り締め、その場で深く深呼吸する。
大丈夫。《和人》と一緒になるための一年間だ。大丈夫。大丈夫。
自分に言い聞かせ、立ち止まっていた校門の外から一歩踏み出し、学校へ足を踏み入れた。
近くにいた生徒に職員室までの道を訊ね、これからお世話になる担任の教師に挨拶を済ませたところで予鈴がなった。
担任の後に続き、白いセーラー服の下に提げられたロケットペンダントにもう一度手を当て、気持ちを落ち着かせる。
このロケットペンダントには、和人と私と、そして、娘であるユイが一緒に写った写真が納められている。母と和人に無理を言ってダイブして、あの《森の家》を模した家で、三人で写真を撮ったのだ。それを和人にプリントアウトしてもらったのだ。
リハビリで辛い時は、いつもこのロケットペンダントを開き、写真を見て元気をもらっている。お守りのようなものだ。
二人のことを考えているうちに、教室へ辿り着いたのか教師は足を止めて、名前を呼ばれたら入りなさい、と告げ、教室に入っていった。
もう一度ロケットペンダントを握り締め、深呼吸。よし。
覚悟を決め、名前が呼ばれたので扉に手をかけ横に引く。足を踏み入れ、後ろ手で扉を閉める。
何故か教室にいるこれからクラスメイトとなる生徒達はざわめき始め、ひそひそと何かを話している。
心の中でかぶりを振って、黒板の前に置かれ、教師が傍らに佇む教卓の隣へと立つ。
担任「今日からこのクラスの一員になる、雪村だ。仲良くしろよ」
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ゆのん(プロフ) - 更新待ってます！ (3月15日 14時) (
レス) @page14 id: 9b31ba286d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年3月2日 11時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 今井 明希さん» コメントありがとうございます。読者の皆様のお言葉に甘えまくっている現状に、無理せずという言葉嬉しかったです。これからもご愛読のほどよろしくお願い致します。 (2020年2月2日 6時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - SAOも好きなのですが、黒バスも好きです！レイさん、更新無理せず、頑張ってください！ (2020年2月2日 4時) (レス) id: efc9537302 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - CaLMeさん» コメントありがとうございます。私事優先と仰って下さり、作者は少なからず救われております。これからも応援よろしくお願い致します。 (2019年9月5日 16時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2018年5月26日 14時
