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第3話 『何処まででも』 ページ3

嬉しかった。

 胸が踊った。

 Aの口から、また、《愛している》という言葉を聞けた。これからいくらでも聞けるだろうと思う人も居るだろうが、俺は、《これから》じゃない。俺は《ここ》に、《今》を生きている。今を生きている俺に、《愛している》と、Aは言った。これほど嬉しいものなんだ。

 __Aばかりに言わせていては、男が廃るというものだ。

 Aがその気なら、俺は。

和人「房枝さん」

房枝「・・・・・・何かしら」

 もう、迷わない。

和人「__Aが望むのなら俺は、何処まででも逃げますよ。Aの為なら、俺は世捨て人にもなる覚悟です。・・・・・・そして、Aが望むのなら。俺は命を懸けて、戦う覚悟です」

房枝「・・・・・・」

『和人・・・・・・』

 腕の中のAが俺を見上げる。その金色の瞳には、今にも零れ落ちてしまいそうな程大粒の涙を浮かべていた。

 Aに向かってはにかんでみせる。

和人「俺もAのこと、愛してるからな」

 Aが何を言おうと。

 Aのもとから誰が離れていこうと。

和人「俺は、俺だけは何があっても絶対離れないから。ずっと、隣にいるからな」

『っ・・・・・・うん・・・・・・!』

 小さく頷き、Aは俺の胸に顔を擦りよせ、幸せそうに。本当に、幸せそうに微笑んだ。その際に零れ落ちた小さな雫を優しく拭い、その手をAの背に添える。


 __と。


房枝「・・・・・・うん、これなら大丈夫ね」

和人「・・・・・・は・・・・・・?」

『・・・・・・ぇ・・・・・・?』

房枝さんがにこりと笑みを浮かべた。

その笑みの意味が判らずAと顔を見合わせ頭の中を疑問符で埋め尽くす。

房枝「いえね、お父さんが心配してるっていうのはね。ほら、ウチって結構な名家なんだけれどね。桐ヶ谷くんの家柄に文句つけて色々言ってくる阿呆共……こほん。近しい人たちが出てくると思うのよ。それで桐ヶ谷くんだけじゃなくAにもストレスが溜まったり、いろいろ……ね。そういう事をお父さんは心配してるってこと」

俺の気の所為で無ければ、房枝さんは今自分の親戚の事を《阿呆共》と言っていたような。

いや、それはいいとして。

第4話 『面影』→←第2話『家柄』



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ゆのん(プロフ) - 更新待ってます! (3月15日 14時) (レス) @page14 id: 9b31ba286d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年3月2日 11時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 今井 明希さん» コメントありがとうございます。読者の皆様のお言葉に甘えまくっている現状に、無理せずという言葉嬉しかったです。これからもご愛読のほどよろしくお願い致します。 (2020年2月2日 6時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - SAOも好きなのですが、黒バスも好きです!レイさん、更新無理せず、頑張ってください! (2020年2月2日 4時) (レス) id: efc9537302 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - CaLMeさん» コメントありがとうございます。私事優先と仰って下さり、作者は少なからず救われております。これからも応援よろしくお願い致します。 (2019年9月5日 16時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイ | 作成日時:2018年5月26日 14時

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