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第1話 『Prolog』 ページ1

__テスト・・・・・・?


 ALOから解放されて数ヶ月。

 衰えた筋肉を以前と変わらぬものに戻そうとリハビリを続けている私、雪村Aは、退院を目前にして、母と共に病室を訪れた、恋人であるキリト、もとい、桐ヶ谷和人を交え、言葉を交わしていた。

 ベッドに腰掛け、昔のように__SAO事件以前の__とまではいかないが、多少自由が利くようになった両脚を肌触りの良い掛け布団で覆って話を聞く私。右手は世界で一番愛おしい人の温もりで満たされている。その当人は、ベッド横のパイプ椅子に腰掛け、私とぱちくりと眼を見合わせていた。

房枝「そう。まあ、別に大したことはしないのだけれど。テストのようなもの、とだけ言っておくわ」

 何故、このようなことになったのか、説明を求めたい。

 目の前にいる和人も、同じように考えているのだろうと、容易にその表情から読み取れた。

 それは私たちを優しげな眼差しで見下ろす母も同じだったようで。

房枝「お父さんがね、心配しているのよ」

和人「・・・・・・心配・・・・・・ですか?」

『何の・・・・・・?』

 どちらともなく、繋がれた手に力が籠もった。

 その様子を見て、より微笑ましいと言わんばかりに二重瞼を下ろし、はにかむ母。

房枝「そんなに構えなくても大丈夫よ。この()の見る目は信じているから。少なくとも私たち年寄りの眼よりかは、ね」

 それは、ALO事件の犯人であり、嘗ては私の事実上の婚約者でもあった男__須郷伸之のことを指しているのであろう。

 私の両親揃ってあの男を信じ、一人娘である私の婚約者に仕立て、挙げ句の果てに。間接的にとは言え、《あんな悍ましい事件》を起こさせたも同然のことをしたのだ。自虐的になり、疑心暗鬼になるのも理解出来る。

房枝「・・・・・・話が逸れたわ。要するにね、あなたたち二人に一年程離れてもらおう、っていうことになったのよ」

『なっ・・・・・・!?』

和人「・・・・・・!?」

『どうしてっ・・・・・・!』

 母の言うことが理解できず、憤りを吐き出すように言った。それは隣の和人も同様であった。繋いだ手から動揺しているのが伝わってくる。

第2話『家柄』→



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ゆのん(プロフ) - 更新待ってます! (3月15日 14時) (レス) @page14 id: 9b31ba286d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年3月2日 11時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 今井 明希さん» コメントありがとうございます。読者の皆様のお言葉に甘えまくっている現状に、無理せずという言葉嬉しかったです。これからもご愛読のほどよろしくお願い致します。 (2020年2月2日 6時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - SAOも好きなのですが、黒バスも好きです!レイさん、更新無理せず、頑張ってください! (2020年2月2日 4時) (レス) id: efc9537302 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - CaLMeさん» コメントありがとうございます。私事優先と仰って下さり、作者は少なからず救われております。これからも応援よろしくお願い致します。 (2019年9月5日 16時) (レス) id: 3f41551ffd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レイ | 作成日時:2018年5月26日 14時

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