雪降るドイツの探偵卿 (ページ4)

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目覚め … からの爆弾発言！？ページ4

んっ…
　うっすらと目を開けると、真っ白な天井が見えた。続いて上半身を起こして、辺りを見回す。アンティークな家具で統一された、こぎれいな部屋。トルバドゥールの中だろう。
　なぜそう思ったかは…。ここはクイーンの予告状からする香りと同じような香りがするから、だと思う。あとは、あの作戦は完璧だったという自信があるから。
　少しくらくらする頭を働かせていると突然、声がした。

『おはようございます、フェールさん』

　機械の合成音のような男の人の声。上から聞こえてくるところを見ると、この声の主は…。わたしは、クイーンさんについての情報を思い出す。

「ＲＤさん、ですね。おはようございます」

　さっき見つけた、天井の隅にあるカメラを見ながら言った。
　フェールという名前を知っていたということは、もう私が探偵卿だということもわかっているんだろう。敵と知っていて、アジトに運び込むなんて…。やっぱりクイーンさんは、私の思い描いていたような怪盗だった。
　嬉しくて少し笑みを浮かべると、ばたばたと足音が近づいてくる。きっとクイーンさんだろう。扉の方を向く。
　足音が止まると、トントンと、ノックの音が聞こえた。どうぞ、というと扉が開いて、美しい銀髪の人と黒い短髪の人が現れた。

「おはよう、フェールちゃん。体の調子はどうだい？」

　この人がクイーンさんか。すごくきれい…。わたしはベッドから立ち上がって言う。

「おはようございます、クイーンさん、ジョーカーさん。体はもう平気のようです。助けていただき、ありがとうございます」

　ぺこりと頭を下げる。するとクイーンさんは

「どうしてあんなところにいたんだい？」

と聞いてきた。訪ねてはいるけど、きっとクイーンさんは訳を知っているんだろう。目がいたずらっ子のように輝いている。その隣にいるジョーカーさんは、わかってないみたいだ。青い目で、鋭く見つめてくる。

「あなたを捕まえるため――――――― 」

　クイーンさんを少し睨み付けながら言った。一歩前に出るジョーカーさんを、クイーンさんが手で止める。そして、再度こちらを向いた。頬が少し熱い。わたしは深呼吸してから、再び口を開く。

「というのは名目で。実はわたし、クイーンさん達のもとで一か月の間、過ごしてみたいんです」
『「えぇっ！」』

　驚いたジョーカーさんの叫び声と、ＲＤさんの何とも人間らしい叫び声がデュエットした。