転校生ちゃんの秘密っ！2【あんスタ】

貴方side ページ12

『ハァ、ハァｯ……ハァ……』




あんずちゃんを求めて、屋上へダッシュする私達。


だが、いきり立って走ったのもつかの間、すでに私の呼吸は荒れていた。




「何やってんだよ！速くしないとあいつ、帰っちまうぞ！！」


前方から聞こえるワンコの声。


くそっ…数分前までは私が先頭を走ってたと言うのに…

あ、これ持久走で「頑張るぞ！！」って先頭走り始めたにも関わらず、気付いたら一番後ろまで下がってた時のあの感覚だわ。

「私今、風を切って走ってる…」とか思ってたら、隣を走り抜けていく人の風だったよなぁ…(体験談)



『ご、ごめん…私もう走れんわ…先行ってて……』



「はぁ！？何言ってんだよ！！！お前連れてかなきゃ意味ねえだろうが！！！」



持久力無さすぎかよ！とか言わないでくれワンコよ。引きこもりの体力なめんな(




「あれ、Aちゃんってばもうへばってんの？」



ええい黙れ黙れ！！！
貴様らは毎日のようにレッスンだの何だのしてるからだろうが！！！！

私なんか基本部屋でゴロゴロだからな！！((



「しょーがないなぁ、俺がお姫様抱っこでもしてあげようか？」


からかうような笑顔を浮かべる。

ああ、この笑顔に何人もの女が騙され…ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ、落とされたんだろうな…(白目)



「ほらほら、こっちおいでよお姫様♪」


『あ、いや、そういうの大丈夫なんで(即答)』


「ねえ待って、Aちゃんが冷たい」


「今に始まったことじゃないだろう」


『なんか後輩がみんな冷たいんだけど！？』



いつの間にか隣りに来てたアドニスくんの辛辣な言葉に、涙目の薫さん。



「A。羽風先輩が嫌なら俺がおぶってやろう」


『え、いやいや…重いからいいよ…』


羽風さんにされるよかはマシだけどさ…そこまで仲良くもない異性におんぶされるとか…気まずくて仕方ないわ((


「気にするな。見たところお前は軽そうだから問題ないだろう」


よし、背中に乗れ。と、やる気満々のアドニスくん。



……ま、まあ…ここはお言葉に甘えといたほうがいいのかな？


こうして私はアドニスくんにおんぶされる羽目になるのだった。

…おんぶなんていつぶりだろうか()

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