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心を透かされて【江戸川乱歩】 ページ3

昼休み。

まだ皆は外に食べに行っていて帰ってきてないので、

探偵社にいるのは私たちだけ。


「乱歩さん、私そろそろお昼に…」

「やだ!もう少しこのままで居て!」


そう乱歩さんは、私の膝の上に頭を乗せて言った。

そう、所謂膝枕というやつだ。


「そうは言っても…」

「いいから!」


そうして、私の膝の上で転がったり、擦り寄ってきたりするのだ。

猫みたいだなあ、と思う反面

くすぐったくてさっきからムズムズしている。


「ら、んぽさん…そろそろ…」


乱歩の髪が当たって、くすぐったさも限界で、
途切れ途切れになりつつそう言う。

乱歩さんはそれを見て、にんまり笑ってから


「仕方ないなあ!」


と言って、起き上がった。

違う意味で嫌な予感がする。


「ふふ、それにしてもA、顔が赤いよ。
どうしたんだ?」

「くすぐったくて、つい…」


そういって目をそらすと、乱歩さんはまたにんまり笑った。

「じゃあ、」といって顔をぐいっと私の耳元まで持ってくる。


ふうっという風音と共に、「んっ…」という変な声が漏れる。


「ふふ、これでも擽ったいのか。可愛いねえ、A」

「らん、ぽさん…何を…」


どんどん近づいてくる乱歩さんから逃げようとするも、ソファと乱歩さんの腕に挟まれて出来ない。


「ねえ、僕さ、



君が好きだよ!だから、少しだけ独り占めさせてね。」


そうして、頬にキスを落とされた。


「大丈夫。

自覚してるかどうかは知らないけど、
君の心なんて、僕はもうお見通しだからさ!」


子どもっぽく抱きついて、

大人らしく慣れたように私の身体に手を滑らせていく乱歩さんに、


抵抗しようとすら思えずに、


そのままされるがままにおちていく。





ーーー自分の知らない心すら見透かされて。

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ねぎ。(プロフ) - こんばんは!お久しぶりです。またリクエストしてもいいですか?最近中也にハマってしまって。文乃さんの書く中也短編が読みたいです!お時間あるときでいいのでぜひよろしくお願いします!!! (2017年12月24日 23時) (レス) id: c5589df126 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 書いて下さってありがとうございます。凄く感動しました。これからも応援しています。頑張ってくださいね。 (2017年12月21日 10時) (レス) id: 860abbe074 (このIDを非表示/違反報告)
夏姫 - 太宰の妹幼女主12才久と仲良し太宰をにぃに中也にぃと呼んでる太宰は主が久と仲良くするのが気に入らないが主は久と仲良し。太宰は主に溺愛お願いします。 (2017年12月18日 20時) (レス) id: 10c4a5c371 (このIDを非表示/違反報告)
淀川文乃(プロフ) - 夏姫さん» そう言っていただけると本当に嬉しいです!また是非お願いします(^O^) (2017年12月16日 22時) (レス) id: cdf7dc42de (このIDを非表示/違反報告)
淀川文乃(プロフ) - あかりさん» リクありがとうございました!ご期待に添えていれば幸いです(^^) (2017年12月16日 22時) (レス) id: cdf7dc42de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:淀川文乃 x他1人 | 作成日時:2017年12月11日 23時

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