【ワールドトリガー】玉狛支部のネコ (ページ4)

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3話ページ4

side迅

1枚の紙を見る。

【誓約書】と書かれた紙。

1.白銀Aはボーダーの為に尽力すること。

2.白銀Aは父、兄の代わりとなり人類を守ること。

3.仮にボーダーが望むのなら白銀Aは黒トリガーになり、ボーダーに尽くすこと。

迅｢……｣

白銀さんは他人に興味を持たない。

理由は知ってる。

この世に未練を残さない為。
いつ死んでも構わないようにする為。

迅｢白銀さんってなんでボーダーに来たの？｣

A『命令だから。』

彼女は〝父親〟の命令に縛られ続けている。

迅｢風間さんのこと好き？｣

A『好きよ。ただし、恋愛感情は一切ないわよ。』

知ってる。

犬猫のように可愛がってる。

A『寝な。』

迅「寝れないんだもん。」

月に何回か彼女の母親が面会に来る。

でも、彼女はその面会を拒絶してる。

迅「明日、お母さん来るんでしょ？」

A『…ﾁｯ……』

嫌な顔をする。

A『あの人は1度白銀家から逃げたのよ。愛してるって言い続けた兄と私を置いて自分だけ。都合いい人。』

嘲笑して煙を吐く。

迅「白銀さんってタバコ吸うんだ。」

意外。

A『ニコチンもタールも入ってないよ。』

風間「ん…」

A『蒼也！起きちゃった？』

風間「ん。」

風間さんが白銀さんに抱きつく。

迅「白銀さん、明日は外向けの仕事だよ。」

風間さんは白銀さんに抱きついたまま寝た……

A『…あの人は来るわ外向けの仕事だわ、明日は厄日か何か？』

迅「サボっちゃダメだよー、鬼怒田さんにも根付さんにも怒られるし。」

A『上層部の顔色伺って生きてない。』

知ってる。

林藤「白銀、明日、サボるなよー。」

白銀さんは唯一、玉狛支部の林藤支部長の言うことは聞く。

A『……OK、ボス。』

風間さんを抱きしめたまま部屋に戻る。

迅「あの誓約書って破棄しないんですか…？」

林藤「したいのは山々だが、アイツは無くした瞬間、壊れそうだ。」

そんなに縛りが強いものなのか。

林藤「白銀がボーダーに来た理由って知ってるか？」

迅「命令って言ってましたよ。」

林藤「建前はな。」

建前…？

林藤「アイツは俺たちにはこう言った。」

【自分の人生を終わらせに来た。】

林藤「そして目の前でトリガーに自身のトリオンを入れ込み始めた。」

…

白銀さんは未練を残さない為に冷酷を演じてる。

けど、白銀さんは遊真達と関われば誓約書に縛られずに生きれる。

サイドエフェクトで見なくてもわかる。