3話 ページ4
sideA
……
造花を握って上から花弁が舞う。
この空間は好きじゃない。
宙を舞う花弁を眺めて
｢OK!!｣
ザワつく現場。
私は宗様のお人形なのに…
A『…もういい？』
｢放課後なんだから休めばいいのに……｣
着替えた。
白いテディベアを抱きしめて外に出る。
みかさんにもらった。
A『……』
ワインレッドみたいなリボン、似合うかも。
A『…』
凄く集中してる……
邪魔しちゃ悪いから……
あんず｢ごめんくださいっ！｣
ﾋﾞｸｩ!!
び、びっくりした……
宗｢小娘ッ！調律の邪魔を……！いつからそこに居た。｣
私を睨む宗様。
A『…つい先ほど。』
私はその目が苦手。
だから目を逸らす。
宗(あぁ……なんて儚い顔をするんだ。愛おしい…)
宗様のお考えなどつゆ知らず、
背けたまま固まった私の手にあるものに興味を示すあんずちゃん。
あんず｢先輩ッ！どうしたんですか！？そのテディベア可愛いですね！｣
こ、これ？
A『み、みかさんからの頂き物です…』
みか｢俺と同い年なんやし、敬語無しに話したいねん…｣
そ、そう言われても……
宗｢影片からのプレゼントは身に纏うのに、この僕からのものは一切付けないのは理由あるのかね？｣
宗(あんなにいっぱいあげているのに……！)
それは……
A『宗様から下賜された物を身に纏うのは…とても……』
あんず(かし？)
？
宗｢小娘は下賜の意味さえも分からないのかね！｣
みか｢俺もわからーん。｣
宗｢はぁ……上の身分の物が下の身分に物を与える事だ。｣
みか｢ほーん。Aちゃんは賢いなぁ！｣
A『…わ、私に大した語彙力は……』
宗｢というよりも僕を神と崇め奉る事は良いが、｣
あんず(そこは良いんだ！？)
？？
宗(そ、そんな顔で首を傾げないでおくれッ！)
宗｢そのクマに何かしら施しを加えよう。貸して見たまえ。｣
は、はい。
宗(愛おしくてたまらないね…)
泉｢Aー！居るー？｣
あ。
A『なぁに？』
泉｢テニス部に付き合って。｣
え。
A『……ヤダ。』
あんず(瀬名先輩にあんなにバッサリ……)
泉｢お兄ちゃんの言う事聞けないわけぇ？｣
だ、だって……
A『ま、マコトが居るから…私は要らない…！』
宗｢せ、瀬名ッ！勝手に決めて連れて行くなんて許さないよ！｣
泉｢別にAは手芸部じゃないんでしょ〜？｣
そうだけど…
なんかピリピリしてる……
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2020年10月13日 21時
