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音楽室の前で、楽譜を見つけた。
ちょっとだけくしゃっとなっている。
急いで書いたのか少々音符が乱れていた。
それでも曲は素晴らしいものだった。
__弾いてみたい
その思いが強く、気づいたら音楽室のピアノの前だった。
一応ピアノは小学生の時まで習ってた。
今でもちょくちょく弾いている。
弾いておかないと弾けなくなっちゃうし。
椅子に座り弾いてみる。
その曲は最初はバラードで、途中からアップテンポになる曲だった。
素敵な曲だ。
それから夢中で弾いていて、気づけば曲は終わっていた。
そろそろ帰ろうかと思い、音楽室から出ようとする。
すると
「今の、お前が弾いてたのか?」
突然扉が開き、小柄な黄昏色の髪の男の人が入ってきた。
長い髪を無造作にひとつにくくり、綺麗な顔立ちをして少女のようにも見える。
月永先輩だ。
「は、はい…そこで見つけて……とてもいい曲だったので」
私が答えると、月永先輩はぱあっと顔を輝かせた。
ちょっと可愛いなって思ったり。
「そっかそっか〜!」
「それ、おれの曲なんだ!」
そうなんだ………
たしかに月永先輩は作曲の天才だ。
こんな素敵な曲をつくれるのも理解できる。
「ああ!Aの演奏聴いてたらインスピレーションが!!」
月永先輩は床に音符を書こうとしていたので急いで紙を渡す。
「今日もインスピレーションが止まらない!!やっぱりおれは天才だな☆」
そんな自画自賛しながら楽譜をばらまく先輩。
「ああ、ちょっと!バラまかないでください!!」
全く。と先輩に注意をしていると
突然月永先輩がペンを止め、こちらを見る。
「今の!セナに似てる!」
似てる?
「私と泉くんがですか?」
「うん!そういや、お前ら兄妹みたいだもんな!」
「セナもお前のこと大好きだし!」
”大好き”
それは1番ではない。
泉くんの1番は真くんだから。
私は違う。
「A?どうしたんだ?」
先輩はこういうときだけ感が鋭くて困る。
「私は泉くんの妹じゃないですよ」
当たり前のことだけど。
月永先輩に言ってるようで、自分にも言っていた。
先輩はきょとんとした顔になる。
なにかを考える素振りをしてこう言う。
「じゃあおれがお兄ちゃんになってやるよ」
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きさら(プロフ) - tiruhaさん» ありがとうございます!続編ではあの方達も出るよて……おっとネタバレですね。ぜひ気長に待っていただけると有難いです。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: bfa2e53ce4 (このIDを非表示/違反報告)
tiruha(プロフ) - 劣化コピー完結お疲れサマです。続編楽しみにまってます! (2018年3月26日 9時) (レス) id: c56212a71d (このIDを非表示/違反報告)
きさら(プロフ) - 柑菜さん» そうですよ〜あんガル大好きなので!2人とも可愛いし(真顔)コメントありがとうございます! (2018年2月26日 21時) (レス) id: 37bf363f20 (このIDを非表示/違反報告)
柑菜(プロフ) - コメント失礼します!間違っていたらすみません、つゆちゃんとこよちゃんってあんガルからとっていますか?本当私の勘違いだったらすみません! (2018年2月26日 21時) (レス) id: 216da37db4 (このIDを非表示/違反報告)
きさら(プロフ) - youkaijaさん» ありがとうございます!そんなことを言っていただいて光栄です! (2018年1月27日 20時) (レス) id: 8e2a00dcdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きさら | 作成日時:2018年1月27日 18時