94 / 彷徨ノ末路 ページ7
side A
「……………そのあと
殺した、死んだって伝えても
俺らの母親は、何の行動も起こさなかった。
……………諦めたんだよ、どうでもいい奴だったから」
あの日、
あの瞬間。
全てを知ったあの瞬間のそれぞれの瞳は
きっと、みんなそれぞれが覚えてる。
忘れられない。
殺意に染まった、4つの瞳と
それに映る、自分の瞳も。
“ 復讐してやりたい “
“ 殺してやりたい “
か細く堕ちた、潤の言葉も。
「………………じゃあ女性5名連続殺人事件の女性5名って
…………………それぞれの、母親ってことですか…、？」
堕とされた林の言葉に
潤は、見下すように顔を上げた。
「そうだよ。
母親5人を探すためにこの業界に入った。
それで自 殺に見せかけて殺した。
それでも殺人を匂わせたのは、
簡単に死んだと処理されたくなかったから。
………俺らが、こんだけ彷徨ってきたんだから」
「…………じゃあ、」
潤の言葉に反応したのは
ずっと、口を開かなかった彼女だった。
「……………じゃあ、もうそれで復讐は終わってるじゃない」
「………は？」
「自分達を見殺しにした母親を殺して。
復讐はもう────────」
「─────────黙ってろってッ！！！」
ガンッ、と椅子を蹴り倒した音ともに響いた、
潤の怒鳴り声。
突き動かされたように、
彼女に近付き、乱暴に髪を掴み自分へと顔を向けさせる。
「おまえがあんなことしなきゃ確証なんて持たずに済んだんだよ……っ！！
母親の無関心なんて見て見ぬふりのままでよかったんだ！！！」
潤の見開いた瞳は
今にも、彼女を喰い殺しそうだった。
「………許せないんだよ、あんたを。
潤の心を抉ったあんたを、死んでも許せない」
潤の怒声が響き終わったところに
智くんが、
そっと、でも怒りを含んだ低音で
その言葉を堕とした。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - toumorokoshiさん» 一番なんて恐れ多いです…！でもめちゃくちゃうれしいですありがとうございます（ ; ; ）楽しんでいただけてよかったです´`*！ (2021年7月2日 18時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
toumorokoshi(プロフ) - すっごく面白かったです！！嵐さんの小説の中で一番好きかもしれません…。とにかくめちゃめちゃ好きで面白かったです！素敵な作品をありがとうございます！！！ (2021年7月2日 4時) (レス) id: 8e786bb205 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ともさん» ありがとうございます( ; ; ) (2021年3月16日 18時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 「圧巻」の一言です。 (2021年3月16日 18時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)(プロフ) - しほりんさん» コメントありがとうございます！楽しみながら読んで頂けてよかったです´`*。最後まで読んで頂きありがとうございました！ (2020年2月10日 11時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi- (元つむぐ)
| 作成日時：2020年1月30日 17時
